詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
散りゆく桜はまるで別れてく僕たちのようにただ静かにはかないまでの命
未来に咲かすは涙の記憶
古びた校舎の窓から校庭でふたりで芝生に座って弁当食べる 僕たちを見ていた
あの頃の思い出は夢の中 ひらひらり花びらが笑顔をさらう
夕暮れに影がふたつ寄り添って 過去をのぞけば見えるのに今はひとつだけ うつむく僕の影
つなぎあう手の温もりもなく今は 今はその記憶を思い出すのもこわいんだ
桜よ 散りゆく 命のままに思いをつぼみな閉じこめる
ふくらんだそのつぼみの中の思いはずっと咲かないつぼみ
君には届けられない 君はもうこの世界のどこにもいない
夜空の星を探せば君がいるような気がしてでもいるはずもなくてキラリ涙が落ちる
それはまるで流れ星のように光り輝いていた
すばらしい記憶さ。
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