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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3901] じぇんとるうーまん
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


出逢ったころよりずっと綺麗になってゆく君
僕はほくそ笑む
心にそそり立った抱いていた予想の壁を君は壊してその奥まで入り込んで
綺麗になり続ける
僕の前で

時が人を変えるなら
みにくくするだゃじゃなくて
その人の中に眠る若さの代わりにその歳に見合った魅力を与えるのが時の役目
だからきっと君が綺麗とは言えなくなるような歳になってもそのころは僕も同じだから君を綺麗と言えるんだよ
自分をみにくいと思うならいっそ化け物同士愛しあおう
そんな気持ちの転換も大事なエネルギーさ

だから僕は
だからだね
君よ 聞いてね

僕は愛してるなんかはもう言わないよ
いつか年とったそのころは愛してるなんかは君は聞きあきただろうし僕は言い飽きただろうから
僕はちょっと笑いながらふざけ半分マジメ半分でつぶやく 「まあ綺麗」ってね

残り少ない命には笑いが必要
ボケた頭に活力を与えよう

できたら君も
「まあダンディー」
そう返してくれたらそれだけで僕は泣いてしまうな

愛した意味はそれだけで満たされる
君の言葉は魔法だから
僕は歳をとり死んでゆく悲しみにも笑えるから

君は僕に寄り添う あのころとは違う幸せな笑顔浮かべ
ふたりはおそろいの白髪頭で同じ空の下
あのころとは負けない元気な笑顔浮かべて
あちこちガタがきてバラバラになりそうなからだを必死に支え若いころより分かち合って助け合って愛の本筋を知る
今ごろ

僕は洒落た帽子にくるっとしたお髭を生やし すてきな杖をついたダンディーなおじさまで
紫の婦人スカートを着た君に今度は釘付け
おかしいかい?
おかしくないよ
これがこの歳にふさわしい愛の形
あのころは僕らだって若かったんだから

そんな遠い未来を君と見てる
想像してる 何十年後を
きっと予想より綺麗な君に出逢える。

2009/04/11 (Sat)

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