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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[391] ツキノミチ(後半)
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


眠れずにいる夜
カラカラにのどが渇いて
階段をつたい一階に下りていく
窓の向こうには
広がる漆黒の中
孤独に浮かぶ黄金の月

今の僕には
このモヤモヤを吐き出す術もなく
慰めてくれる愛しのプリティーガールも居やしない
朝から夜にかけて
僕はずっと独りぼっちだ

見上げる夜空の
黄金の月よ
僕の同じ境遇の同じ孤独を虐げられた
時に真昼の月の君よ
誰かの寂しい夜を慰めて
誰かのカナシい帰り道をそっと照らして
自らはなにも求めることなく
頼める言葉も持ち得ず
自らにはなにも返りはしない
それなのに君は当然のように皆を照らしている
とんだお人好しだね

そうして
眠りに着く僕らを
そっと夢へ運び届ける
楽しい楽しい
現実とは遠く離れた夢の国
現実の辛さや悲しみを忘れさせるように
夢をみせる

それでも覚めてしまえば
夢は夢でしかない
悲しい現実がまためぐる

目覚めた僕は気づくだろう
薄汚れた現実を生きる僕を誰かがあざ笑う
その声を太陽は否応なく受け入れて
私に再び退屈な目覚めを音もなく届ける。

2007/01/23 (Tue)

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