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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3944] おしまいのラプソディ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


友達もいない
親はもう昔死んだ
頼れる人もいない
だから僕は一人生きてる
自分だけを頼りにして二足のわらじで今も孤独の住人〇〇〇号室の住人
家賃は命で賄われてます

隣人は透明人間
無口な奴だから
話さない
そう思えば悲しくはない

大家は僕だ 不思議に誰も僕を羨ましがらない
神も仏もいない世界
行き交う人皆冷たい表情
ゴーストマンション
テレビでは毎日悲しいニュースばかり流れ教育番組では無表情の子供が親とよく似た無感情な態度でやる気なさそうに体操してる

そんな世界を望んだばかりに僕は孤独の住人
今もまだ抜け出せていない

マンションの名は社会不適応者寮

まったく失礼しちゃう名前だね

反吐がでる

笑うことさえ黒ずんだ太陽が爛々と輝く空では無理だから
いつも僕は無表情
裕福な君や幸福そうな君とは違うんだ
違う世界の住人なんだ
君が住む場所か天国なら僕が住む場所は地獄
ほんと世の中は理不尽なもんだ
責任ならバンバン押し付ける
身勝手なまでに

それが死んだ親から教わったこと
清楚な仮面でいつも素顔を隠してた母の口癖
「嘘もまかり通れば真実と同じ」
毎日 働きもせずほっつき歩いてた父親のひとりごと
「正しさやルールは人によって微妙にゆがんでるものだ、だから人はそれを正しいと信じて疑わない。なぜならそれはその人の中じゃ紛れない正義の真実だから。ようするに悪もまた正義のはしくれ」
言い訳は無限大だと付け足した

そんな親から教わった僕がまともに育つ訳がない
とはいえそんな自分がおかしいとは思う

ああ みせてくれ
世の中よ 正義の見本を
本当の正義を

願いは風になり雑踏の足音に消える
僕の声は世の中の声に比べれば一グラムもない小さな意見
孤独な奴の戯れ言と聞き流されておしまい。

2009/04/18 (Sat)

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