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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3943] 夜が明けたら
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][得票][編集]


この夜はいつか終わるはかなくも美しい物語の一ページの中の文章に終わりを告げる句点みたいなもの
見上げた瞳がとらえた流れ星
今 僕の胸の中
世界中の人の中
流れていった
この夜が明ければ悲しみも喜びも明日へはこばれる
もしかしたら明日になったらこの世界にいなくなる人がいるかもしれない
だとしてもだとしてもその人の生きたあかしは影のように消えないから見えなくても消えてないからどうかこの夜にそっとその人をよく知る残された誰かが思い出してほしい。そうすることがその人への弔い

この世界にはいくつの悲しみがあり
この世界では僕や君はその悲しみにいつまで泣かせられるのか
数少ない喜びにひたれるのか
明日になったら変わってしまう何か変わらない何か
すべて混ざりあってひとつの一日になる

夜が明けたら
すべてわかる
すぐにわかる
夜が明けたら
きっと笑える
君は 僕は闇の中に光を見つけた

降り続く雨も夜のあいだだけさ
すぐにやむはず
つかの間の悲しみ

少しのまぶしい陽射しが降り注ぐだけ
また夜になれば楽しく笑える

きっと 明日
なにがあっても
死んじゃうよりはましだから
笑おうじゃないか
無事に朝を迎えられたなら

夜が明けたら新しい朝の光浴びて朝の空気吸い込もう
今日も生きてる喜びをからだで 心で知ろう

誰も疑えない
君はそこに
僕はそこにいる

あなたにも僕が見える
僕にもあなたが見える
自分じゃ鏡に映した姿しか見えないからそれが疑わしいから君にたしかめてもらうよ
ねえ 僕のこと見えるかい?
次の君の言葉に息をのみ待つこの数秒がとても大好き

そんな朝に僕は今日も生きている
ちゃんと生きている
君が証明してくれたから
これ以上の確証はないはず

そうだろ?
マイハニー…?

2009/04/18 (Sat)

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