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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[3996] 無限の青 ひとつの空
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


その笑顔は誰に向けての笑顔なのか?
その涙はなにに向けての涙なのか?

笑って泣いて
それでおしまいなんてなんてさびしい物語であることか

だから
転んで精一杯踏ん張って
イヤというほどあちこち傷つくって
日々を何遍でも平気で乗り捨てて
高い塔ができちゃうくらい後悔や失敗や後腐れを過去に置き去りにして

そんな不器用で不細工な人生こそが本物だっていえるようになれればいいなあ

そんな戯言を寝言のようにつぶやいて
星の数ほどの不満を願いと同じ数くらい叫んでも 叫んでも
むなしいだけだけど
そんなときもまた必要だから

僕は川の近くに転がった石ころみたいにいびつな石ころを拾って手にとる
僕にとてもよく似た石ころ 愛着がわいたからポケットに入れて未来に持っていくお守りさ

「すべての人の目に映る景色はひとつずつ違う世界だから空も花も同じものでも人の数だけ存在する だから人は大きくすれ違うんだ、だからね僕には見えないけど君には見えている空を僕は心から信じる」
一億以上の景色
百景どころじゃない
笑わせるな
自分の見えている空が青いからって誰にでも見えている景色が同じ色に見えると思うな
君が悲しいとき君には空が青く見えるか?
それと何ひとつ変わりないのさ

君の見てる空
僕の見てる空
何ひとつ同じなものはない
人の数だけ
無限に空はあるんだよ
だから君も考えてみようよ

無限の青 見ていたいのは解るけど
たまには他人の灰色がかった青にも目を向けてね

僕は君に下投げでくうをえぐるようにやさしく言葉を投げる


だからねこの笑顔はまだ未完成
だからねこの涙もまだ未完成

君が僕の空を
僕が君の空を
この心に認められない限り完成しない
君の青と僕の青は異なる

それまでは悲しいけど背中合わせの恋さ。

2009/04/26 (Sun)

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