詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
芋虫は偉いね
僕ら人間なんかよりずっと
あんなに小さいのに偉いね 芋虫!
いや 芋虫さん!
暑い夏の日も
寒い冬の日も
泣き言言わず
弱音も吐かず
日々 地を這う
からだ くねらせながら
蛇腹のからだでズリズリ進む
ちょっとからだはグロテスクだけど
かわいそうなんだなんて思わないで
自分も芋虫だったら…
そんなイメージは芋虫を馬鹿にしてる証拠さ
ただ
芋虫は今日も晴れた空の下 雨の下
芋虫はけなげに
時に雄々しく
芋虫としての時間を這っていく
それはまさに
僕ら人間と同じ
リレーだよ
競争社会より
芋虫には大変な世界さ
何もかも大変な世界さ
今日を生きるか今日は生きられるか
毎日が生きるか死ぬかの繰り返しさ そんな精神力僕らにはないだろう?経験もないだろう?だから芋虫は芋虫さんは偉いんだ
僕らはそれに比べたらずっと平和だし幸せさ
わかってるかい?
今目をそらし聞き逃したふりをした君らに聞いてんだ?
芋虫リレー
君らもエントリーするか?
ほら イヤだろう?
だから芋虫を尊敬しあがめなさい!
気持ち悪くても
悩みがなさそうでも
僕らが見てないとこで活躍してんだ
切磋琢磨してんだ
小さなからだに悲しみかくしてるんだ
バレないように
今 芋虫を見て想った
ふと、気まぐれに。
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