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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4065] ゆえに花はただ花として
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


そこに咲いてた花
思えば昨日も咲いていたな
そのちっぽけな花におしえられたよ
「君は今日も昨日とおなじで生きてる、昨日の君は嘘じゃない、僕がその証明だろ?」

今日も明日も おなじ花がそこにあるように昨日とまったくおなじ僕が明日でも生きている、ばかみたいにあたりまえの話さ

そんなイメージとの対話に笑う僕は幸せ者

なぜかそれなのにそれが嬉しくて嬉しすぎて思わずあふれるよ
喜びの涙

ああ 僕は今日もここにいる
ああ いつかたとえここにいた人になっても
ああ 僕は明日も変わらずここにいるよ
いつか ここにいただけの人になってもうっすらと影を残す

それは目には見えぬから誰も気づかぬ影
まるで そう いつも見かける花のような
でも 気がつけば気がつくようなたしかなあかし

それが僕っていう存在なんだと思います

ですから人は誰も 花のようにやがて枯れていくけど かならず素晴らしい種を残す
次なる物語を生きていく続きを引き継ぐような種を
その種にたくすよ
まだまだ生きていけるなら引き続き僕で明日も生きるけどね
いつまでもそんなことばかりも言ってらんないからやがてはたくすから

それまでは僕も花
枯れたらなんになる?
枯れても花は花
天国にでも咲いていよう
住居を移すように簡単なことさ
難しくはない
死ぬことなんて
死ぬことなんて

だって僕は花なんだから
咲く場所なんて選びやしない
どこにだって咲けるさ
それまでは 居心地のいいこの場所で咲いていよう

花は花として花としての一生(しめい)をまっとうする
それが花のつとめ
花の生きざまだと思うから

僕は僕なりに僕という花として咲き続ける
なぜもなにもそれが僕って花の姿なんだから

それを笑うのはそもそもおかしい
それこそあたりまえな話だ。

2009/05/10 (Sun)

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