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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4118] 旅人の行方
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


旅人はどこに向かって旅してゆくのか
旅人は旅人になるつもりで生まれたのか
生きている意味もわからないのに生まれた意味なんてわからない
だから誰かの身勝手な一存や誰かの思惑に縛られた運命によりこの世界に放たれる事もあるさ

だけど僕はそれでもなぜか笑顔を咲かすよ
心に心に

この旅の喜び
そして悲しみ
感じてきた全てはいつか綺麗に終わる
何事もなかったようにあとにはただ線香の煙が戦士の栄誉をたたえるように揺れてるだけで

なんてさびしい人生か
夢を手に入れても
なんて悲しい人生か
路を踏み外しても

ちっとも痛くない
こんな傷たいしたことはない
問題はこんなもんよりずっとずっとずっと難解だ

息を切らし走り抜ける日々 やがて終わりのゴールテープが見えたならあきらめもつくだろう
ああ 楽しかった
ああ もっと生きていたい
そう思うのはこの世界の楽しさに気づいてしまったから
それもまた悲しいものです
だけど知らずしてはきっともっとむなしかったはずだ

旅人は決して綺麗な未来や場所を目指して歩くわけではなく
朝陽なんかよりももっと渋くっておそまつなあれで構わない

旅人には笑顔だけじゃなくて地図なんかより涙が必要だ
いつか旅人の命のタイマーがゼロを指したら旅人は消えて

旅人の行方は誰も知らない 旅人自身さえこの世にはいないから誰もわからない
死ぬまで人は悲しい運命にもまれても笑って 己の運命や宿命にやがて燃え尽きても最後まで人は神様の意図を知ることもなく同じように運命を抱えた出逢いを果たした大切な人にさよなら告げる

その途中
僕のろうそくの炎もたまに消えそうになるのさ
それも小さな出来事で
だけれど今はかろうじてとりとめてる命
向かう先は光と闇を繰り返す世界
死ぬまではリアルという幻が目に映るよ。

2009/05/16 (Sat)

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