詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
人を裏切った数だけ自分も平気な面をして裏切ってきた
それでも何故だか別にどうとも思わなくてせっかくの良心からの声をそれでいいとはぐらかした
さめた面で僕はきれいな僕にさよならをするさ
あのころの僕は少なくても今のような汚らしい僕みたいなずるさはなくて精一杯きれいな人間だったのに
今はなんだか汚れることを恥ずかしがりやたら手をよく洗う潔癖すぎる僕になりました
都会のくすんだ空気にやられました
わかってるよ、わかってる 不似合いなんだろう?
田舎者が都会っ子にあこがれてただ真似っこしただけだから
能面みたいな面でそれはそれは簡単に裏切りグッバイ
いつものように
いつもの要領で
裏切りの僕をものの見事に演じきるよ
今日の幕が降りるまで
人を裏切った数だけ自分も平気な面をして裏切ってきた
それでも何故だか別にどうとも思わなくてせっかくの良心からの声をそれでいいとはぐらかした
そんな僕には君を君を愛す資格なんてないはずなのにどうしてだか君だけは君だけはなくしたくなくて
お砂糖ばかりめったやたら入れまくった甘ったるいコーヒーみたいな際限なく広げすぎた自分の許容範囲を今 狭めて少しは自分に厳しくなってみよう
これからの事を考えて 考えて
自分の愚かさは風に吹かれて消えたのさ
そんな風に解釈しよう
そういう事にしてよけいな事考えず
ただ元のきれいさを取り戻すために
さあ
汚れた手でも洗えば落ちる 今は洗わないよ
笑って泥にまみれて生きる 死ぬまで汚いまんま だけれどそのぶんきれいな心で 裏腹のきれいな気持ちで僕は昨日までのふざけた自分に贅沢させててごめんなさい
これからはこれからはちゃんと厳しくもするからって誓うよ
裏切りもほどほどに
グッバイ もう僕は酔いから覚めた生まれ変わった素面の僕さ。
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