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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4156] 最果ての世界
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


たとえばこの世界の人たちが全員嘘つきなら誰かを信じられる事などなかったね
偽りと真実がちょうどいい具合にあるからみんな本当の事も愛せるし邪悪な嘘を憎めるんだ

嘘もつけず本当の事だけだったらきっとつまらない
つまらないと思うこともなかった
嘘がつける今だからこそ言えることだ
逆に本当の事しかみんな言わなかったら誰も彼も誠実な人
だから気遣いもお世辞もなにもないストレートな人ばかりでなんか嫌だね

成れの果ての果ての果て
僕らが住んでる今ある世界はその結果なのです
いくつもの検討を繰り返した末にできたひとつのこたえなのです

つまりは
つまりは
そんな連鎖がこの未来を生んだんだ

最果ての世界に今
降り立ち
誕生から十数年
人はそれぞれに
立っているのだ

思い思いの格好で
好き好きな見栄えで

人は嘘もつくし本当の事もいう

幸か不幸か半分の自由をゆるされて存在している

雨に降られ
陽射しに焼かれ
人は人のままに
今日まで生きてきた
これからも生きていく
人は人のままで

つねに今あるこの現状が最果てだから
明日が来たらまた最果ては塗り替えられ新たな最果てが来るのでしょう

不思議な時の流れが告げている

僕の心に涙まじりのかわいらしい小さな声で
精いっぱいに告げていた。

2009/05/22 (Fri)

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