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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4212] 運命という名の列車
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


僕らは産まれてから死ぬまでのあいだにどれだけの夢をみるのか
叶わない夢 叶えられる範囲の夢あるけど
無謀だってわかってても僕らは叶えられる夢よりもそっちのほうに惹かれる

母親の腹の中で僕はなにをみていた
どこまでも続きそうな暗闇を見つめながら何を考えていたんだろう

よもや人生がこんな悲しいとはね
予想にもしてなかったよ
よもや人生がこんなに素晴らしいとは
思いもつかなかったよ なんて言ってみてももうそれは運命なんだな
腹の中から飛び出してちょっとの月日ののち僕は本来の意識を取り戻しやがて二足歩行で大地に足を着け歩き出した

時にはそんな運命を憎み
ある日は運命に死ぬほど感謝して涙を流したのにまた運命を憎んでさ
ほんと勝手なのはお互い様で

そんなふうに日々は過ぎて行く
流れるように毎日が死へとまっすぐ僕をはこぶ
みんなを乗せた一両だけの列車が各々の定められた寿命の終点で降ろしまた入れ違いに誰かが生を抱え産まれる、繰り返し繰り返し

時にはそんな毎日がうれしくて仕方なくなって
時には目を血走らせるほど嫌いになってしまうけど
僕を産んでくれた人に悪いから
憎しみだけで生きたくはないのだ
たとえどんなに運命が理不尽にこの先も僕を傷つけようと僕を泣きながらも負けず生きるよ
その先に待つ誰かを
闇から救う光に出逢うため
誰かを降ろし誰かを乗せて繰り返す列車の中 震えながらも窓の外広がる美しい世界に目を輝かせる
もうすぐ愛の街
まだみない未来
知らない光
見たこともないもの
僕を待っている

この美しさがたとえまやかしでもいいよ
ただ僕はそれを受け止め生きるから
悲しみは消えずとも喜びに楽しめているからね
感謝はつきず憎しみもまた消えない
愛しきれず憎みきれず運命と明日も向かい合わせ
この列車に乗せられたことは運の尽きで同時にチャンスの到来。

2009/06/02 (Tue)

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