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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4269] 風に吹かれて
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


旅の途中の悔しさなんてふいの風に飛ばされてどっかいった
「痛いの痛いの飛んでけ」なんて言ったら
人生は船旅のようなものだからいつでも悲しみ喜び波のように人におそうのです
流した涙 浮かべた笑顔 今まで感じてきた幸せと満足感を何度指折り数えても変わらないけれど変わらないことが幸せで満足で
昨日の悲しみも
いつかの切なさも仕方ないよとため息で隠したけど
うまくはいかないものだね

誰かに笑われても
誰になにを言われても僕はただ風に吹かれて臆病風吹かしても明日には笑ってる 苦しいときも向かい風に吹かれて明日の自分を想像するんだ
黄昏 気ままな旅は続く 生きたい気持ちが本当に底尽きるまではね

あの悔しさ 切なさ 悲しさ 本当に本当に忘れたわけじゃないよ
だからこそつたう涙 あふれるため息
今日もそれでも風に吹かれて何か信じてギリギリ抱いて生きているのです
かろうじて此処にいられるのさ
いつも僕を救うのはほんの小さな偶然の集まり
たまたまのおかげ
だから自慢できたものじゃないけれど
僕はそんな人だからこそ今まで精一杯僕でいられたんだ
そう思えば少しは自分のこと憎まないでいられるだろう
そしてたまには自分のことほめられるだろう

なんて思う
雨の中 ひとりぼっち
寒さにふるえ ずぶぬれのまま
差す傘もかまえる覚悟も今にも崩れてしまいそうな頼りない僕のせいで無意味なものになりそうだ


それでも進もう
船を漕ごう
オールを前へ前へ送りだそう

それが僕にできる精一杯
明日へ生きて光をつかむため人生から逃げないで旅を続けるんだ

まだ旅の途中
ほんの冒頭
こんなとこであきらめているわけにはいかない
まだまだこの先にはたくさんの光が待ってるはずだ
たしかなことはわからないけど生きることで何かわかるんだ

だから風に吹かれてる。

2009/06/17 (Wed)

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