詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
お帰りなさい
お疲れさまでした
今日もまたただいまって声に返事はないよ
だって僕は一人暮らしだからさ
このままずっと一人の幸せ一人で抱えて笑ってゆくのかなぁ
さびしい夜もすっかりなれた頃
孤独もほらなんだか座敷わらしみたいに思えてきた
こんなに孤独になれたのにこんなに孤独に慣れたのに窓に映る自分の情けない姿見るたびになんか胸の奥が焼けつく思いがするよ
よれよれのシャツ
くたびれたダサい柄のネクタイ
決まりきった日常の流れ
そんな未来をあの頃見ていたのか?
幸せかと聞かれればきっと首を横には振らないけれど首を傾げるような生活におさまってる
わんわん泣きたくなる夜 それが今だよ
本当ならずっと前にも泣いててもおかしくなかった夜があったのになぜか涙を押し殺して泣いちゃいけないんだと言い聞かせてた
理由はわからないけれど抑えきれない涙 今夜はなぜかいつになく心が苦しいほどふるえているんだよ
この涙は弱い涙じゃない
もう戻れない幼い頃に思い馳せている涙でもない
ただ心の詰め物が外にでただけの話
こんなに泣いても明日にはまたきりもなく涙が出て
下手したら今日より多くの涙がでるかもしれないんだ
だから遠慮なんかしないで泣くとしよう
泣いてみることも立派な感情表現だ
なにもこたえなんか見えなくてもいい
泣くだけ泣いて心の気が済んだならそれだけで意義がある
夜はそんな恥ずかしいキミの胸の内隠すため真っ暗なんだよ
月は僕の心にテレパシーとばす
明日もちゃんと生きていくから
どうかあたたかな光をください
みんな生きていくんだね
だから僕も強く生きていく
涙を流すことは自分の弱さを表沙汰にすることではなく自分の本当の気持ちに素直になること
涙がその意味を説いてくれる
今日泣いたら明日は笑えるから今日の涙明日は笑顔で取り返そう
涙の雨が止み心晴れたら。
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