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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4334] ただいま おかえり
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


家の中でうとうと眠さがまんして僕を待つ君と君に会えるのを待つ帰り道の途中の僕
ふたり同じ月を見上げながらきれいだねって思うだろう
まあ君には あの人にはかなわないけどなんてお互いにお互いを過剰評価する それもまた愛の可愛さ

君のおかえりなさいって声が聞けたら
僕は今日生きて本当によかったと思うから
今夜も聞きたいな
心から安心するあの声を

重ねるように遅れぬように重なるように君の声にうまくかぶせる ただいまという言葉
ただいまとおかえり
まるで君と僕みたい
どちらか片方では意味をなさない言葉
だから君と僕はふたりでいつもいなきゃだめなんだ

僕なりの愛の言葉さ
気づいてくれるかな
つまり言いたいことはただひとつ君を愛してるってこと

あと何分 あと何歩
家までの距離と時間が近づくたび心ははずみにはずむ
君に会える
それだけでいつも生きてるようなものだから君に会うために帰るんだ
この世界で一番安心して眠れる場所
それは君と僕の家
それが君と僕の家
僕らふたりが生まれ
営みを繰り返し
いつかふたりが老いて消える
始まりと終わりをつかさどる場所

それがマイホーム
ぬくもりの源

僕がただいま…
君がおかえり…
今日もよかったよかった
うまい具合にアンサンブル 重なるハーモニー

そして君が待ってたようにお風呂にする? それともご飯?まさか私?
なんて疲れた顔の僕を見て舌を出し笑う
そんな君にそんな君に恋をしたんだな
恋をしてるんだな
いつまでも
いつまでも

だから僕もそれに合わせて言うんだ
もちろん選ぶのは君だよ
永遠に君だよ…
なんて言ったら
ほほを赤くして
君は恥ずかしいわ、ジョーダンやめてよなんて言ったけど
僕は本気だって反論して
そしてほほを赤くした君を強く抱きしめた。

2009/07/07 (Tue)

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