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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[4380] 夜の向こうの光の国
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


ねえ君は一瞬の流れ星のような人だからすぐに消えてしまうんだ
ああ人生の中で感じてる時間は流れ星だからボーっとしてるうちに時間切れになって終わっちゃうよ

悲しいような
さびしいような
そんな気持ちが喜びを光らせているんだ 世の中の欲望全て集めたような光で綺麗すぎるくらいに

今夜はなんだか物憂げな気持ちさ
悲しみと喜びが僕にやさしく微笑んでいる
まるで母のように
まるで父のように
涙が出るほどあたたかい夜なんだ

失くした何かがあれば過ぎ去った日々がある
そして手に入れた何かもあるんだね
だけれど全てはやがて視界からも消えてしまうつかの間の幻
キツネやタヌキに化かされたようにあとには葉っぱの代わりにむなしさが残るだけ
それでも僕らはいつでもこの夜にこの夜に懸けている
流れ星にも祈りを捧げるようにね

夜はそんな気持ちとともに過ぎて明けていくんだ
とてつもなく
もうとてつもなく
切なくて悲しくてそれでも素晴らしい光をみんなに抱かせながら

夜は今日も僕に挨拶もなく僕から挨拶することもなく
ただ人々の心の中を素通りさ

盗まれてゆく命
それの代わりに与えられる新しい明日
やがては終わる物語の続き
それを僕らは知るために生きるのか
わからないけれどただいえるのはきっと終わりがあるからこそ限りある何かを大切にできるってことなんだよ

今日も旅の途中
読み始めてからほんの数ページめくっただけの場所で立ち止まり早くも苦戦してる
疲れたって言葉ばかり癖みたいに繰り返して温いため息吐き出して

それでも僕は夜をひとっ飛び なんとかこえて
ここにいるよ
まばゆい朝に影をこしらえ 仏頂面ここぞ居(お)る

ロマンティックにいえばね夜の向こうの光の国に居るんだ
明日を生きる人しか行けぬ国さ
どうだ 素晴らしいだろう?大手を振れ!

2009/07/21 (Tue)

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