詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
名前も知らない人だから
躊躇なく抱きしめあえる
名前も知らない人だから
顔だけ見られるだけであとは平気だよ
名前も知らない
素性を知らない
顔だけ見られた
顔だけ見られた
穴があくほど
穴があくほど
名前も知らない人だから
名前も知りたくない人だから
僕はあなたと
名前も知らないあなたと一夜だけの恥じらいを交えたよ
名前も知らない人と共有した時間
場所は東京 大都会 渦巻く欲とゴミ
カラスが群がる アパートのゴミのふくろ漁る
浮浪者は人を嫌い人から逃げるように森へ逃げ獣人になる
不思議な不思議な愛はここでひとつに
少しの痛みとそれをこえた快楽に心までドドメ色
僕も君同様に名前も知らない人だから
永遠に二人は他人よ
名前も知れない人だから
はい、やり代ね
金を払い ホテルを出るだけ
金を払い ホテルを出るだけ
呼んどいたタクシーでそのまま家へ
未婚だから浮気にはならないぜ
僕は素晴らしき独身貴族 独り住まいの王様さ 王様さ
援交の王様さ
愚かな国の悲しい
王様さ
風呂に浸かりながら汚れを落とす
それでも罪は消えない 落ちないね
もやの中で独り男泣き 顔まで水ん中へ
顔まで水ん中へ
僕はぶくぶく逃げるように沈んだ。
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