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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[545] 夢遊病者の憂鬱
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


夜な夜なさまよう
夢遊病者のように
夢はもう飽きた
手に取れないものなんて欲する意味はない
眠れない夜は
こうやって月を気長に眺めてる
庭の畑で蟋蟀の鳴き声を聴く
そうするうちに夜は過ぎ
気づけば朝になる

縁側の柱に寄りかかって
目覚めた私は昨日のことを夢だと疑わなかった
なぜなら夢は一瞬の幻惑なので
知らない間に私を夢の世界へと連れ去ったに違いないと思った

飽きたはずの夢の中で私は現実離れした幻を見た気がした
遠のいていく幾多の思い出に見取れて
いつの間にか現実か夢かも判断できないほど
私の病気は進行していたらしい
今更それに気づいて
ちと考えた後
また僕は夢の中
現実か夢ともつかない世界をさまよう。

2007/02/22 (Thu)

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