詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
いったいいくつの仮面を被るんだろう
いったい何枚仮面を重ねるんだろう
怒りや喜びや哀しみの仮面を私たちは被り
また一つまた一つと感情は留まることなく現れ続ける
私たちの弱い心につけ込んで感情は無限に増え続ける
私たちは誰もが仮面を身につけている
仮面はいわば心の弱さといっても良い
身につける者の心が弱ければ弱いほど仮面は増え続け感情の数は増す
仮面はそんな弱さから生まれる
人間のちょっとした隙をうかがっては仮面は心に被さってくる
若い私たちがこれから生きていく社会は
仮面であふれた暗黒社会なんだ
いろんな感情が絡み合って人間性にさえも影響を及ぼす
そんな社会へ足を踏み入れる私たちは善意の仮面を汚すか汚されるかして生きていくんだ
そうして気づけば知らない間に仮面は汚れ心は黒ずみ仮面を被っていたということにもなりかねない
だからといって
無理に善人を装うことが必ずしも得策とも限らない
人の心には弱さがあり
それに対抗する力もある
ただその力が逆に弱さを作ってしまうこともある
だから仮面は絶えないと思う
仮面社会に生きていく私たちは仮面をよりよく良くも悪くも使いこなす
心の弱さがなくならぬ限りきっと仮面は在り続ける
弱さのなくなる日なんてないことを人は当たり前と思い知っているから
だからこそ仮面は今も人を惑わし続けるんだろう。
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