グラス傾けて床に滴り落ちる 安物のブランデー 堅苦しい話はせずに 首につけた蝶ネクタイは外して 夜空の闇に浮かぶ月の真下に影一つまるでスポットライトのように 僕を照らして ただ僕を照らして そう静かに照らして 水面に浮かんだ月一つ 石を投げたら揺らいでまた元の形に戻る ダンスは嫌い あなたも嫌い 好きなのはあの月 そして 月の真下のあの影 月影ただそれだけ。
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