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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[753] 『放浪記〜旅情詩』
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


旅から旅へ行く人よ
貴方は何故
愛を知らない?
愛を知らないふりをする?
貴方のその背中はヒドく悲しげで
貴方のその瞳はヒドく赤茶けて
幾多の旅の中で
何を探している?
ロマンでもなく
憧れでもない
ただそれは宛もない孤独な旅を自ら強いる

空にはいつだって
どんよりとした不安
どこまでも続く
限りなき青天
少し目を凝らして見える後悔の影
目深に被った帽子
顔にある二つの眼孔から見える
黒目がちな瞳
何かをキッと睨みつけるような
信念のこもった
そんな眼差し

次はどこへ行くのか
旅人よ 旅人
何をそんなに焦っているのか
何がそんなに焦らせているのか
詩人よ 詩人
言葉と嘘をかき混ぜて
出来上がったのはそんな旅の唄

あぁ 案山子よ 案山子
何故にオマエは空っ風に吹かれ
カラスに集られ
それでも 勇ましく雄々しく立ちつくす?

そして私は詩を唄い
旅を居場所とする
そして私は詩を綴り
孤独を贖いとする

まるで いつかの
案山子の如く
まるで そこいらの
幼子のように
私は詩人としてではなく
旅人として
そして 時には
道化として詩を唄い
旅をする。

2007/03/24 (Sat)

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