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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[830] 月と手袋(前半)
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


肌を突き刺す冷たい空気にカラダ震わせ
夜空に浮かぶあの月を
一握りの光の砂を握りしめたら
歩いていこう
委ねよう
ぜんぶ ぜんぶ
貴女に捧げよう
僕のこの愛を
愛する
貴女に捧げよう

嘘と真実
鏡に映る
歪んだ自分
歪んだ心
まるで逆さまのコウモリ
嘘をつくことで強さを装って
弱さを隠すために嘘でまた塗りつぶして
偽りの強さで
孤独な自分を消し去ろうとする
それでも鏡にはいつも
心の片隅消えずに映る
黒ずんだ孤独の影
涙に濡れた瞳
空高く浮かぶ
真実の光
眩しすぎて届かない理想と夢
僕の瞳は汚れきってしまって
見えはしない
それでも眩しさにたえて見ようとする
優しさを道具に
友を盾に
光をつかもうとする
明日をつなぐため信じた友も愛すらも継ぎ接ぎにして
闇に全て葬るんだ
光を 光をつかむために

漆黒の闇
虚ろに輝く明日という一歩先の未来
閉じた瞳 眠らば見える 開いたときに見える明日という未来
繰り返し繰り返し
続く日々の満ち引き
夢と現実
繰り返し繰り返し
行き来する毎日の定められた始まりと終わり
そうしてまた始まり
いつか終焉

2007/03/31 (Sat)

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