詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
本当の悲しみを知らない
無垢で柔い肌を突き刺す冷たい雨
空を見上げれば
何処までも限りなく続く空
それと同じぐらいにあふれた欲望と憎しみ
悲しみを生み出し
過ちを繰り返す
そうして自ら罪に溺れていく
心を血で汚しながら
蒼く蒼く悲しみで染めていく
終われない時の中で
止まれない時の中で
憎しみと悲しみだけがかさばったこの場所で
身勝手なほどに世界は壊れていく
積み重なっていく欲望と
薄れていく罪の意識が
再び憎しみを呼び覚ます
終わりのない時の中で
止まれはしない時の中で
明らかになっていく人間の暗い影
そして今日も明後日も雨は心を濡らし続ける
頭をかすめた悪巧み
気づけばまた独り
孤独に飲み込まれる
罪の重さで押しつぶされる
連鎖する 繰り返す
憎しみと欲望
積もり積もっていく
悲しみの涙
もう引き返せない
振り返っても昨日へはかえれない
こわくても 不安だろうと
必ず明日へたどり着く
気づけば一生なんてすぐ終わる
あっという間に三途の川のほとりさ
だから目を覚ませ
魂を呼び戻せ
真実を見極めろ
妄想を 空想をぶち壊して
現実を リアルを見つめるんだ
光へと続く路を行け。
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