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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[861] 一人にさせてくれ
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


一人にさせてくれ
放っておいてくれ
そっとしといておくれ
今は誰とも話したくないんだ

風に吹かれてみたくなるとき
無性にひとりになりたいとき
今がそのときさ
黄昏ていたいんじゃない
ただ今だけはひとりになりたいのさ
この男心女が理解するのは難しいんだ

理由なんて聞くな
一人にさせてくれ
意味なんて聞くな
一人にさせてくれ

背中を伏せて
誰もいない場所へ
車をとばして
空を見ながら
溜息をこぼす
悲劇のヒーローを気取りたいわけじゃない
ただ一人になりたいんだ
勝手なのはわかってる
でも今だけは 今だけはひとりになりたいんだ

涙を垂れ流して
背中丸めさせて
もう
今は誰に何を言われても
心此処に在らずさ

だから 頼む
これ以上は 何も言わずに引き下がっておくれ
夕方までには帰るから
だから 頼む
一人にさせてくれ
小動物みたく震える僕を黙って野に放ってくれ
頼むから…………。

2007/04/02 (Mon)

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