詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][得票][編集] |
『波状』
寄せては返す
波のように
僕達は生と死を繰り返す
その時間その時代の
違う人達が入れ替わり立ち替わりずっと繰り返す
たとえば遠い日、遠い昔
誰かが流した
涙は無意味なんかじゃなく
きちんとした意味があるもの
きっと大きな意味があるもの
それと同じに生きたことも
きっとそれ以上に大きな意味があるんだ
何一つ無意味なことなどない
今、君が生きている現在も
昨日、流した涙も
意味があるから
流してるのでしょう
街にあふれる家族の暖かな笑顔も
今君が僕に見せる
涙の理由にも
きっと大きな大きな意味があるんだよ
たとえ
今日を満足に生きられなかったとしても
明日があるじゃないか
引いては満ちる
波のように
時には弱さを見せなさい
時には怒りをぶつけてみなさい
僕は君に何度も何度も
それこそ波のように
何度も何度も繰り返し呟く
夕暮れの海
茜色に染まる空
砂浜にふたり
座ってさ
もう一度生きていること
愛し合うこと
考えてみようか
この幸せがずっとずっといつまでも続くように…。
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