詩人:甘味亭 真朱麻呂 | [投票][編集] |
今僕の瞳に当たり前に映る橙よ
闇に飲まれるその前に
今よりもっとその赤々とした色で空を燃やせよ
浮いては沈む想い
それは幻
眠ったときに見る夢
きっと幻
現実という目覚め
そしてまた幻
繰り返される毎日
遠のく意識の中で見えた真っ赤に燃える
赤々としたきれいな夕焼け
目覚めれば夜明け
移り変わる
今日と明日
今日から明日へ
明日からその次の日へ
舞えや踊れや蝶々
踊り狂って
のたうちまわれ
その両腕に拵えた羽根をバタバタさせながら
冷たくなって息絶えろ
嗚呼、
僕の瞳に赤々と
燃えさかるように
揺れては陰る夕映えよ
いつまでも
いつまでも
そのきれいな色で空を燃やし尽くせ
そして僕の青ざめた心に暖かな灯を点せよ
僕の心が宵闇に飲み込まれて仕舞わぬ前に。
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