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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[986] 月夜と僕
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


気づかない内に
気づかない内に
僕は裏切って嘘ついてる
わかってるくせに
わかってるくせに
僕はずる賢く騙してる
君を 自分を 他人も
すべてを騙してる

きっと きっと
こんな毎日を繰り返していれば
きっと きっと
知らない間に独りになるだろう

忙しく慌ただしく
人は生きる
淋しくずる賢く
僕は生きる
いつか迎える
終わりをイヤがりながら
溜息ばかりをついてる
いつも いつも

夜の道を一人歩きながら
見上げた空に月が一つ
自販機のジュースはほとんどが売り切れ
仕方なく人気のなさそうなかろうじて生き残ってるジュースのボタンを押す

ゴトンと音をたてて
僕はジュースを取る
おぼつかない足取り
夜の闇にのまれていく
僕は闇へ歩いていく
気づかない内に
気づかない間に
身を滅ぼしながら
可能性を落っことしながら
歩いて行く
歩いて行く。

2007/04/24 (Tue)

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