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甘味亭 真朱麻呂の部屋


[988] 通り雨
詩人:甘味亭 真朱麻呂 [投票][編集]


過ぎ去っていく日々が
まるで通り雨のように
淡々と季節を巡らし
僕をもうこんな歳にさせた

長いような短いような
そんな時間の中で
僕はだんだんと心の目を閉じる
途切れそうな記憶をつなぎ合わせる
鏡を見て伸びてきた顎髭を剃りながら
空ばかりを眺めながら
いつか訪れる
終わりの日のことを夢に見た
それはそれは遠い日のことなのに
少しだけ胸が痛んだ
空には相変わらず
雲が流れ
鳥が飛び
太陽が昇る
そして夕方になれば
太陽は沈み
月が出て
星が輝く

そんな風に
僕は繰り返す
何度だって繰り返す
それがきっと生きるということ
何度だって言い聞かす
明日も生きようと
何が起きようと
生きていくんだと

通り雨が去った後
僕はこんな道の途中
一人呟きながら
今日もまた空を見上げてる
何処までも続く
青く果てしない空を
僕は瞬きもせずに見上げてる
いろんな想いを胸にしながら。

2007/04/24 (Tue)

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