ホーム > 詩人の部屋 > 木菟の部屋 > 無題

木菟の部屋


[9] 無題
詩人:木菟 [投票][得票][編集]




雨がぽと ぽと ぽと

涙なら 用途別に 使用してください そういう仕様なので

また 楽しさも わたし は あなたに 使われるために 生かしてもらうために

葉が揺らされている 冷たい雨に打たれて と と と

用水路が じょろろ ちぃょょろろ

鴉が鳴いている 虫も 僕らは 震えながら それでも 動き続ける

鳴いている事に 泣きたくなったり

雨粒 肩に とんてんとん

変わらないでいて 高々とあげた旗

雨より雪より冷たいような眼 身体中痼になって

触れ続ける手を叩きつける訳でもなく 宙に止めて

と どん 数日前蝶と衝突した わたしは 死んだのか 瀕死なのか

胸を痛めることなく 前を向き続け加速した

黄色い黄色い いのち 有る蝶を 蝶を 蝶を 殺めたのです

雨より雪より冷たいような血が 流れ れ つとつとつと ととと

いつかの馬鹿げたお話 眠り続けて すやすやすや

勝手な創作 さよならの創作

目覚めたら 笑ってごらん 真剣な眼が ふざけた眼でも

くり貫いて確かめたがる 僕を 笑って

最後に笑ってほしい そうしたら信じれるだなんて

僕は もう人間じゃないのかも知れない

ぽと と と と

2011/09/19 (Mon)

前頁] [木菟の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -