詩人:あいく | [投票][編集] |
僕はオニギリって言う
彼女はオムスビって言う
下らない事で二人不機嫌になる
下らない事で二人とも譲らない
本当に不機嫌になった理由も
本当に譲れなかった事も
今となってはよくわからないような
今だからこそよくわかるような。。。
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時計のアラームが
出勤時刻を知らせる
台風一過ならず残り雨
しぶしぶの片手傘で
ペダル踏み込み出発
集団登校の小学生に
細心の注意をはらう
横並びのバカップルは
道を譲らない
危うく車とこんにちは
雨もあがり傘をたたむ
のぞむは38°の急坂路
チャリンコに鞭打ち駆け上がる
ここは北京の朝か?
佃煮に出来るほどの
高校生のチャリ集団に囲まれる
携帯片手に蛇行運転
やつ等は周りを見ちゃいない
ルーズソックスも健在だ
赤信号で2分待ち
ここらでひとつ小休止
国道の排ガスでアロマです
鼻毛もよく育ちます
一通道路を時速80km
爆走する車の車高が低い
そんなにあおらないで
電動自転車のオバチャンに
何故だか道をふさがれる
電池きれてるのかな?
土手を行く道で
見上げた時に
現れたのは虹の欠片
あれよあれよとアーチを描く
田んぼも川もまたがって
サムデイ♪
オーバーザレインボー♪
現れそして消えるまで30秒
またたくあいだの30秒
通勤時間は1800秒
事務所まで後わずか
1/60の僥倖胸に
今日もお仕事頑張ろう。。。
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渡りの鴨が
ぐぅわぁ
ぐぅわぁ
と鳴いているので
私も
ぐぅわぁ
ぐぅわぁ
と鳴いてみたら
目の前にいた小さな男の子も
ぐぅわぁ
ぐぅわぁ
と鳴いた
なかなか楽しくて
安い自分も悪くないと思った
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アメリカの映画なんかでよく
サボテンに飛び込む男の
たとえ話なんかあるけど
「そいつは屋根の上からサボテンめがけて
飛び降りたのさ
もちろんそいつは大怪我して病院行きさ
だからそいつにきいたのさ
なんでそんな馬鹿な真似したんだって
そしたらそいつはこう言ったんだ
『その時はそれで良いと思った』
てね」
あれがすごく好きで
『その時はそれで良いと思った』
って言葉にすごくシビレル
ビリーザキッドとか
明日に向かって撃てとか
ボニー&クライドとか
なんか挙げたらキリ無いけど
この辺の映画の感覚
一見どうしょうもなく
刹那的に見えるけど
本当は果てしなく
未来や夢を思ってて
いま飛び込まなければ
その先は何も無い
そんな一途な思いが
良いのかも
日本の諺の
「清水の舞台から飛び降りる」
とはニュアンスがちがってて
恐ろしく馬鹿っぽいんだけど
煌めきのようなものを感じる
これが若さだけがなせる業でないと信じたい
後半年ほどで三十路迎える私です
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夜風がとんがって
肌を刺す冷たさを
含んでくると
気澄みわたり
月の光は冴えを増し
私の行く道を照らす
暗かった夜道
独りで歩いていると
勘違いしていた
三人いるじゃないか
私と月と
そして私の影と。。。
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人生をまっとうして
永久(とわ)の眠りにつくその前に
「これだけはやっておかなければ」
と言う事があるとすれば
隠してあるエロ本の始末だけに
しておきたい
例え何歳(いくつ)で
その時をむかえるにしても
毎日を敬虔に懸命に
生きてゆかなければ
そうある事は出来ない
ジョーはちゃんと始末していったのかな?
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僕の胸の真ん中に
空き缶が転がっている
何が入っていたのか
まるで思い出せない
匂いをかいでみたけど
何も匂いはしない
何が入っていたのだろう?
いや
これから何かを入れなければならないのか?
こんな空き缶を皆が胸に持っているのだろうか?
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僕のサンダル
片方が無くなってる
だから隣の人のを
片方もらっておこう
そうすると
隣の人もサンダル
片方無くなって
また隣の人から
片方もらっちゃう
そうすると
そのまた隣の人も。。。
。。。
いい加減にしなよ
誰かがサンダル取りに
行かなかればいけないよ
そうじゃない
僕が取りに行かなくっちゃ。。。
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悪魔は切り株に腰掛け
少年に言いました
「君は僕がいなければ
君が君の正しい事に
自信が持てないのだろ?
だから僕はいつも
ここに居るのさ」
少年は笑って答えました
「そこに居てくれると助かるよ
そこから動かないで居てくれると
ほら切り株に付けた接着剤
乾いたころだよ」
悪魔は切り株にくっついたお尻を見て
一つ舌打ちをしました