| 詩人:あいく | [投票][編集] |
淀の川
朝日散せる
細波の
光は生駒の
裾飾る珠
淀川を渡す
大橋を通勤にて
自転車で渡ります
寒に気澄み渡る
この季節は
川面に映る
朝日の光の
眩しいことよ
風凪ぐ穏やかな
日であれば
水面にはくっきり
朝日の輪郭を
浮かび上がらせます
風が水面を揺らせば
朝日の影は瞬く間に
四方に散り散りに
珠をまかしたように
広がります
遠くに望む
生駒の山の
裾野を飾るように
日ごと表情を変える
水面の光を
冬の通勤の辛さの中
僅かな慰めにと。。。
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合羽とて
寒さ沁み入
夜の時雨
これだけ降れば
時雨でも無いでしょうが
暗い夜道に家路につく頃
手傘自転車では危なかろう
合羽を着込むものの
雨ははじいても
冷える夜気までは
遮る術もないようで
その割りに通気の悪い
合羽ならば寒くても
蒸れて蒸れて
心地の良い物では無い
そんな状況を
惨めに思うのは
根性の足らなさか。。。
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夜空に
星の瞬きは
知りつつも
また見上げては
星を探して
夜空に星の瞬く事は
わかり過ぎている
今更何を確かめようと
私は夜空を見上げるのか
でも本当は確かめて
いるんじゃ無くて
探しているのだろう
星の存する事を知る
それだけでは決して
夜空を知悉するには
至らないのだから
探して見つかるのは
また新たな探し物
夜空の星の深遠に
引き込まれるのだ
知っているだけでは
わからないから
見上げなければ
わからないから。。。
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ラジオから
流れる歌に
はっと手を止め
耳を傾ける
あうあぁぁ
何故もっと早く
気付かなかった
何故もっと早く
耳を傾けなかった
歌が終わってしまう
終わってしまう
せめて
せめて最後に
もう一度
ナンバーを
コールしてくれ
願いむなしく
番組は終わる
それから十数年
二度と耳にすることは
なかったナンバー
メロディーは
人に伝えるには
あまり朧な記憶となり
ただ深い切なさのみ
今も思い出す
思い出すのだ
またいつか
巡り合えるだろうか。。。
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カニカマは
カニじゃ無いし
メロンパンは
メロンでも無い
しかし
しかし忘れては
ならない
そんな事すら
問題にしなかった
遠い日の
少年の眼差しを。。。
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路傍に咲く
小さな野花に
心引かれ
摘み取る
命輝く
可憐な野花に
心引かれ
摘み取る
いやなに
悪いと言う
わけでは無いよ
ただ人は
忘れがちだ
無邪気で
無くなったら
無邪気には
戻れない
ならばただ
忘れないで
いることだ。。。