ホーム > 詩人の部屋 > あいくの部屋 > 郵便屋さん−中−

あいくの部屋


[267] 郵便屋さん−中−
詩人:あいく [投票][編集]

(−上−見てから見てね!!)

それから三十年程の
月日がすぎたが
その郵便配達員は
歳はとったものの未だ
現役で配達を行っていた
先のハガキを鞄に
押し込めたまま
そんなある日
配達員は不思議な
光景を目にした
とある家の庭先に
なにやら奇妙な植物が
太い茎を伸ばし
屋根ほどの位置に
これまた奇妙な
花を咲かせている
つい近々まで
そんなもの影も形も
無かったものだ
通りがかりの人の
噂するに聞けば
あれが世に言う
竜舌蘭であるのだと
配達員はハッとして
鞄の置くから古びた
ハガキを一枚取り出した
見れば花の咲く家の
表札とハガキの宛名は
一致するではないか
もしやと思い
配達員は意を決し
その家を訪ねると
つづく。。。

2005/10/24 (Mon)

前頁] [あいくの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -