詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
ゴロゴロゴロ…
雷が鳴るけど
怖がらないで
空のトビラが開く音
アタリ!は
天文学的な確率
むしろ仕合わせなのかも
禍福は糾える紐の細さ
繋がってたいよ
きみと
ポロポロポロ…
雲が泣いてるけど
哀しまないで
川にナミダが隠恋慕
ハズレ!は
心理学的な戦慄
もしか勘違いなのかも
ドツボに填まって淀む坩堝
流れてたいよ
きみと
雷サンダー
判ったんだ
積乱雲
仕切れんもん
ゴロゴロゴロ…
雷さんだ〜
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
美しいものは
命を対価として
要求する
物見遊山の重みに
耐えかねて崩落した橋梁
喧しい警笛と
夥しい回転燈
折り重なる肉塊の山
灯火管制の下
焼けた電球を指先で掴み
左に回して闇に鎮む日々
飴のように
溶けたラムネの瓶
朽ち木さながら
炭化した人型
巨大な茸雲に
ただ見惚れていた
蝉時雨
止んで挽歌の
意味を知り
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
売れる曲より
書きたい音楽。
プロになれば
大人の事情で
妥協が心を腐蝕する。
必死の営業、
生き残るため。
でも、ホントを抑えて
余命を長らえても
哀しみだけが降り積もる。
日銭のために
今夜も声を張り上げる
ストリート。
魂を売るくらいなら
この肉体も無用の長物。
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
感受性なんて
一円にもならない
イガイガ抱えて
傷つけたり怪我したり
嘘ついたり裏切られたり
なまじ高等動物に
成り下がるから
ミュラー筋弛めて
半眼にしても
ドーパミンのシャワー
浴びてしまう
深海の底で
舌巻いて
貝になればいいのに