詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
感受性なんて
一円にもならない
イガイガ抱えて
傷つけたり怪我したり
嘘ついたり裏切られたり
なまじ高等動物に
成り下がるから
ミュラー筋弛めて
半眼にしても
ドーパミンのシャワー
浴びてしまう
深海の底で
舌巻いて
貝になればいいのに
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売れる曲より
書きたい音楽。
プロになれば
大人の事情で
妥協が心を腐蝕する。
必死の営業、
生き残るため。
でも、ホントを抑えて
余命を長らえても
哀しみだけが降り積もる。
日銭のために
今夜も声を張り上げる
ストリート。
魂を売るくらいなら
この肉体も無用の長物。
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美しいものは
命を対価として
要求する
物見遊山の重みに
耐えかねて崩落した橋梁
喧しい警笛と
夥しい回転燈
折り重なる肉塊の山
灯火管制の下
焼けた電球を指先で掴み
左に回して闇に鎮む日々
飴のように
溶けたラムネの瓶
朽ち木さながら
炭化した人型
巨大な茸雲に
ただ見惚れていた
蝉時雨
止んで挽歌の
意味を知り
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ゴロゴロゴロ…
雷が鳴るけど
怖がらないで
空のトビラが開く音
アタリ!は
天文学的な確率
むしろ仕合わせなのかも
禍福は糾える紐の細さ
繋がってたいよ
きみと
ポロポロポロ…
雲が泣いてるけど
哀しまないで
川にナミダが隠恋慕
ハズレ!は
心理学的な戦慄
もしか勘違いなのかも
ドツボに填まって淀む坩堝
流れてたいよ
きみと
雷サンダー
判ったんだ
積乱雲
仕切れんもん
ゴロゴロゴロ…
雷さんだ〜
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日暮れて道遠し
アルコール
血管と粘膜に注いで
えんやこらと
やっとこさ
動く内燃機関
生き遅れ
死にそびれ
下るにつれて
加速するけど
平地に戻れば
抵抗感に負けて
いつかは自然に
止まってくれる
登るより
降りる方が
より手間がかかる
雨ばかり
降り続くから
虹なんて彩なるものは
逆に長い間
見た記憶がない
朝焼けと夕焼けの
どっちが
燃費がいいのかしら
途方に暮れる
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膝下の浅瀬で
転んで深みに填まる
上手に泳げないから
脱力したら
ぷかりと浮いた
永遠に
楽になるのは簡単
身軽になれば落胆
臍下の高さで
倒れて窪みに陥る
自在に飛べないから
入力したら
ふわりと浮いた
世間に
苦にしないの自慢
身重になれば散漫
いつでも辞めれる
こんなものは
目を瞑れば
どんな深みも高さも
大差ないさ
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白昼夢は
歪な世界に咲いた花
正しさの角度図っても
直ぐに塩折れて
閉じてしまうけど
植物的に生きてれば
沢山は要らないの
枯れ果てても
終わらないで
一度始めたからには
長く留まるほど
誇りが降り積もって
想い出を疾しさで
汚してしまうけれど
季節の移ろいに負けて
散るつもりなら
最初から咲かなければ
いいのに
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
この星の地平が
あたしの非力に落とす蔭
世界の終わりと嘆くけど
怯えないで泣かないで
きっと明るく照らすから
引き籠もっても
仲間たちがホラ
放っておいてくれません
天離かる果てで
あなたの非情が犯す罪
この身の破滅と悔やんでも
諦めないで捨てないで
きっと再び灯るから
引き裂かれても
大事な人がホラ
何処かで待っていてくれる
親が子供を殺め
子供が親を殺めたと
来る日も行く日も
電波が妄りに流すけど
子供も親も元々ひとつ
あたしはアタシを殺めない
諦めないで捨てないで
必ず明るく点るから
背中を焼かれた
優し過ぎる人達に
今日も苛酷な雨止まず
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3連符で刻んだ動悸
侮れないアドレナリン
誤解しないで
薔薇色に
頬っぺたが火照るのは
全力で走ってきたから
4分休符で止めた旋律
藍色に溶けるアイロニー
黄昏れないで
不器用に
微笑みが歪むのは
多分あなたが好きだから
5線譜に波打つ音階
荒れる原因アレルゲン
嫌いじゃないの
上手に
繋がれないのは
素直になれないだけだから
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
途方もない強い力で
頭を押さえられても
右へ左へ喘ぎながら
上を目指して駆け上がる
プクンと
頭が突き抜けると
まばゆい光が
体中に乱反射して
空が一瞬青く映った
目に見えるものは
儚く短いけれども
パチンと弾けたあとは
何処までも自由自在
暖まった身体は
軽くなって
どっかへ消えたけど
無くなったわけじゃない