詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
なぜか切ない
日曜日の夕方は
満たせない欲望に
冷蔵庫さえカラッポ
行くべきか待つべきか
普段通りの優柔不断
ほんとは結論なんて
最初から決まってるのに
躊躇う程に失われてく
希望と時間
うん、決めた!
電話するっ!
彼なら30分で来てくれる
伝えたい事を
頭の中で整理して
噛まないように
何度も復唱して電話を
手にした
「もしもし,,,」
...上手く話せたと思う
あとは待つだけ
玄関に繋がるキッチンに
間接照明の
フロア・スタンドを置いた
暫くすると外で
バイクの止まる音が
聞こえる
あー、なんかドキドキする
玄関のチャイムが鳴った
時計を見たら
電話してからたった15分
スリッパパタパタ
玄関のドアを開けた
「ピザ配達に
参りましたぁ〜」
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
あんな
なんかな
言いたいこと
あんねんけどな
100万語の
優しい言葉なんかより
今は1回だけハグして
くれへんかな
鋭利な刃物
みたいな三日月がな
秋の風に縮こまんの
一人見ちょりました
理屈は頭を冷ますけど
心の温度まで
覚めてしまうんよ
躊躇って回り道するより
真っ直ぐあたしに触れて
くれへんかな
傷ついた分だけ
優しくなれるんやったら
どうか
あんたの熱で
あたしを少しだけ暖めて
くれへんかな
知っちょる?
あんたのこと
思うだけでな
あたし
満月になれるんよ
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
三角に尖って
死角に隠れても
互角には闘えない
味方の大量得点に
胡坐かいて
そんなんじゃ
何処へも転がれない
難しいショートバウンドを
何気にさばく選手と
何でもない内野ゴロを
ファインプレーに
見せる選手と
どちらもプロの技だけど
後生大事に
ベースを守って離れない
内向きな野手なんて
草野球でも要らないよ
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
その気があれば
何でも通る。
足元に踏みつけた
一般大衆に
気付いたら
彼はナポレオンに
なれなかった。
みんな疾しさに
克てないから
立ち止まってしまう。
Goingなひとりが
新しい道を開き
その他大勢がみんなで
そこを通るけど
先行く人はきっと
本当は不安で
足元の異変に
気付いていながら
まるで
クライマーのように
遭難を恐れて
下を見ないように
しているんだろう。
高い場所に
恐怖を覚えながら
必ず一度は
ダイブを夢想する、
人は
そんな厄介な快感原則に
囚われた生き物だから
気付いた途端に
奈落の底へ滑落する。
下を見る誘惑に
負けた彼は
普通の人に戻った。
しあわせだったのかも
知れない。
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
おそらく
みんな誰かのために
生まれてきた
自分のためだけに動くと
必ず何かに阻まれる
誰かの事ばかり
考えていると
自分がなくなるけど
その代わりに
世間はきっと丸く治まる
みんながいなくなる事が
みんなのためになるなんて
とっても変で
すごく素敵なこの世界
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
他人のフリ見て
我がボケかませ
自分が思ってるほど
オモロナイの知ってる
何になりたいかさえ
解ってないから
何者にもなれていない
終着駅は知ってる
だけど目的地じゃない
どれに乗ればいいの?
こんな無人の駅で
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
誰に対しても
片寄らずに公平でいたい
例えば両親が
溺れていたら
最初に自分に近い方を
救うしかない
非力でごめんなさい
みんなを助けられない
だから
小さな自分さえ
救えないで
泣いてばかりいる
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
車の中で
冷たくなってた
アナウンサー
病と闘い
最期まで歌い続けた
ロックンローラー
1週間
気付かれないで
孤独死した女優
失意のうちに
ベッドで永遠の
眠りに就いた政治家
もう音楽で
やることがないと
自死したミュージシャン
忘却の城で
気高く介護され
力尽きた老女優
いくら書いても
足りないけれど
知ってしまった以上
あなたたちの事を
わたしは忘れない
去り逝く人たち
記憶に刻みながら
生まれてくる
知らない人たちの未来が
わたしには見えない
車椅子で
富士山の頂上を目指す
あなた
砂時計のように
可能性が
刻一刻少なくなってく
天候はあなたに
味方しなかったけれど
諦めないあなたが
わたしに希望の灯を点す
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
単なる確率だけで
ドリブルされた心理
サイキックで蹴った
馬鹿なシュートが
バナナみたいに
ゴールを逸れる
股関抜くよな姑息さで
ダイス転がし
判ったつもりの
サイコロジー
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
それぞれの手強い敵に
命を狙われて
日々の戦場駆け抜ける
仲間たちが
毎年3万人も戦死するけど
大事なことは
たったひとつ
わたしはわたしに
負けたりしない
それぞれの拙い武器を
胸に構えて
今いる場所を守り抜く
援護するから
わたしに構わず生き延びて