詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
その向こうに
行きたいのに
窓ガラスが
あまりに透明で
穢れを知らない
フリをするから
石を投げたくなる
開けるのも越えるのも
面倒くさくて
何かの所為にして
先送りするけど
割る勇気もないから
石の代わりに
自分を投げたくなる
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
左側は崖っ淵
覗けば♭飛び込みそうで
右脳にブレーキかけて
必死で見ないフリする
顔が歪んで見えるのは
泣きながら笑っているから
普通って何だか
知らないけど
普通じゃないことくらい
薄々勘付いてる
前後に跨いで
ステップ#に刻むけど
左脳が言い訳ばかりで
エビみたいに尻込みする
地団駄踏む様に見えるのは
その場で足踏みしてるから
進歩って何だか
解らないけど
本当は退化してるだけ
かも知れない
足を上げて
下がらないで
位置に位置に
からだ温まるまで
前を向いて胸を張って
準備運動
威風堂々ではないけど
後進なんかしない
ぼくらのマーチ
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成長するにつれて
呼び名は変わるけれど
生命力も鮮度も
少しずつ劣化してゆく
綺麗な水を夢見ながら
すべて見通せるから
酸素過多で息が詰まる
濁りを濾過出来ないくせに
肺が一人前に汚れたがる
詩人:赤坂 菜葉 | [投票][編集] |
なまじ言葉を
覚えたものだから
スクリーンに
映し出され
直ぐに消えてゆく
他愛のない風景にまで
説明をつけたくなって
追い付けないもどかしさに
押し黙ってしまう
名前なんてなくても
花は咲けるし綺麗な事に
変わりはないのに
記号で繋ぎ留めて
判った気になっている
一緒にいたいと思う
この気持ちに
名前が欲しいけれど
きっと掬った指の隙間から
零れ落ちてしまう物がある
ずっと見つめているだけで
内側が温まるから
あなたの横顔が好きです