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赤坂 菜葉の部屋


[29] 深海魚
詩人:赤坂 菜葉 [投票][得票][編集]


時代の波に
乗れない潜水士
今更海には戻れないのに
子宮の息苦しさを懐かしむ

光の届かぬ深海で
ガラスの破片さながら
感覚だけ研ぎ澄まし
救い求める胸ヒレ
パタパタ扇いでも
端目にはバイバイと
手を振る様に映って
助けていいのか半信半魚
内圧だけで自爆するから
共に浮上するのは
救助活動ではなく
殺害行為に等しい

死は生の翻訳語だと
律儀な逐語訳で
解ったつもりになって
酸欠のDiverは
したり顔したり
藤原のかまたり

2009/10/31 (Sat)

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