詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
綺麗なものを見つけました
波に削られ磨かれた
親指ほどの硝子の欠片
空を透かして見てみたら
薄い水色でぼやけて見えました
親指ほどの硝子の欠片
今日からわたしのたからもの
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深い霧の中を
ひたすら走った
何かに蹴躓いても
それでも走った
霧が晴れた向こうに
何かがあると知ったから
たとえ晴れることがなくても
それでも走り続けた
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揚羽蝶
黄色と黒
羽に銀色のピン
動き出しそうな羽を
押さえつけてた
揚羽蝶は、羽を奪われた
これじゃ、飛べないじゃないか
単純に、そう思った
可哀相じゃないか
単純に、そう思った
詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
白い枠の中に、
薄い青色の空が四角く残った。
空に掲げて合わせてみたら、
何ひとつ同じじゃなかった。
見上げた空と、
握った空は。
昨日の空と今日の空だった。
明日になったら、
きっとまた違う色。
だから、切り取ってとっておく。
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日が暮れる
ここはどこだろう
さっきの猫はどこ行った?
人がいない
お母さん
泣きそうになる
腕で顔を擦る
お母さん
遠くに誰かいる
逆光で顔が見えない
手を振っている
駆け寄ってくる
抱きしめる
お母さん
ついに泣き出す
母が立ち上がって手を引く
立ち上がって歩き出す
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肩が震える
嗚咽が漏れる
俯いた顔に水が伝う
雨粒が足元を濡らす
肩に雨粒が染みる
屋上のドアが閉まる音
なんでだろう
どうしてだろう
どうしてこんなにめがいたいんだろう
どうしてこんなにかなしいんだろう
別に
好きになって欲しかった訳じゃなかった
なのにどうしてこんなにかなしいんだろう
雨粒が頬を伝う
水が頬を伝う
この水はきっと雨粒で
涙なんかじゃない
涙なんかじゃない
僕は泣いてなんかない
でも
それなら、どうしてこんなにかなしいんだろう