詩人:アマネ | [投票][編集] |
アレもコレも 逝き着く先は同じ 病み
自殺行為とはほど遠い
自傷行為 自慰行為
アナタもキミも 息吐く先は同じ 闇
オーガズムとはほど遠い
記憶と呼べぬ欠けた幼心
傍に居て 傍に居て
一人にしないで
何処へも行かないで
お父さん
異なる形の鍵をあてがい
鍵穴を潰し泣き崩れたって
手を伸ばすほど欲しがりもせず
性の間に間に繋がり感じ
似つかぬものを無理矢理同視
それを愛だと呼ぼうだなんて
そもそも在り得ぬ話じゃないか
それでも続けるの
それでも生きるの
たったそれだけの穴のために
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形のない「いつか」の約束より
「今」が続いて欲しいのよ
裸になったって
お互いの傷を隠し合った関係で
ねぇ、本当に「今度」はくるかしら?
古風なまじないでもしてみようか
君の手は煙草の匂いがする
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「見るな」と翳した手 背けた顔
なんだか上手くいかない
上手く笑えない 上手く喋れない
いつものような
「なんてことないの」が出来ずに
グチャグチャに崩れた泣き顔
君の前だと素直になり過ぎて
顔が作れなくて困る
方言混じりのエセ敬語しか喋れず
何一つ上手く話せない
真っ直ぐな言葉をサラリと言い放つ
君がとっても憎らしい
「俺は好きだよ」なんて
そんな簡単に、でも嬉しくて
グズグズになりながら
アタシは可愛げなく噛みつく
「ウルサイ、黙れ、バカ。」
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決して当たり前なんかではないその体温を
重ねてはずらす狭い部屋
君はアタシと居ると楽だと笑ったけれど
君はアタシの胸に秘めた
酷く醜い欲望を知らないから
「アタシも」と口元だけ笑って背を向けた
二人乗りの自転車
しがみつく背中の温度が遠くなる
頼りない次の約束を
「またね」とかわす改札口
君が好きだからこそ
楽でも幸せでもないアタシは
家という日常に着くまで
どんな顔して帰ればいいんだ
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彼氏との距離を訊く君は卑怯だ
別れたってアタシと君の関係は変わらないのに
元カノの事を話す君は非道だ
思い出に嫉妬しても勝ち目なんてない
じらしてアタシの言葉を待つ君は本当に意地悪だ
ただ一言なのに胸が詰まってどもってしまう
それでも君と繋がれるのならそれで良いと
アタシはいくら君を睨んだって
やっぱり好きだと思い知る
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命は灯り 命は消える
さながら蛍 夏の夜の現 リンの青
不安は光り 不安は陰る
甘い香を辿り 行き着くは世の夢 人の熱
光りを探し 光りからあぶれ
求むは熱き 毒の蜜
重なる残像 光る命
違えた約束 紫煙の糸
吐息で消える 儚き願い
さながら蛍 灯しては消える 凛と赤
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指先から輪 歪んだ輪郭
正しき姿 揺れる影
甘い嘘に 口元歪め
笑う水鏡 溶かすは水面
映る君は遠き想い出 月明かり
光を頼り 手を伸ばし
指先に触れる 水は冷たく
揺れる水鏡 笑う水月
己の姿を 水に問うては
なぞり整え 歪める望み
君の姿も 声も 熱も
何もかも幻想だというなら
何も、
何も
見えるはずなんてない
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嘘を吐く口元は笑み
強がりを繰り返す電話越し
君の声が聴けただけで
グラリと目眩がするほど嬉しい
崩れそうな心を繋ぐ強がり
「大丈夫だよ」
ホントは君に縋りつきたい