詩人:おるふぇ | [投票][編集] |
日常が
赤く爛れて
燃えていく
プリズムは
弾け飛び
あなたの胸に
飛び込む
光は無限
優しい笑顔が
記憶に霞み
現実が淡々と
進行していく
掴みたかったもの
もうないんだよ
(なくていいんだよ)
あなたの寝顔が
隣にあるだけ
(それでいいんだよ)
夢か悲しみか
わからなくなる暮らしさ
情熱は消えずとも
痺れの抜けない感覚に
美しさは
蜃気楼のように
イメージの
彼方に
消ゆ
軽く
リキュールで乾杯して
今夜を祝おう
音楽は
ピアノだけでいい
あげつらえたものは
邪魔になるだけ
日常が
赤く爛れて
燃えていく
あなたの
マニキュアの
色のように
鮮やかに
命あるもの
それらをすべて
彩るように
真夜中を行進する
銀河交響楽団に
懐かしい景色を見た
すべての感覚を超越して
細胞は進化する
およそ計り知れない
(その必要のない)
馴れ親しんだものの
果ての先
あなたの横たわるベッドに
懐かしい景色を重ねて
見えなかったものを
開こうとする
愛の消えた街
(愛は永遠)
わたしの遺伝子は
宇宙の馴れ初めに
染めて染まり
愛の消えた街
(愛は真実)
あなたの中に見る愛
わたしの中にある愛
もうどうでもいい
それがあれば
(何もないけど)
もうすぐ太陽が昇る
幻は幻のまま
日常は
赤く
赤く
赤く
爛れ
燃ゆ
プリズム
( あなたを一人に
などしない )
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底に
見える
薄暗い
底に
鬼
持てない
希望を
集中力の
持続する限り
天に
探して
底に巣食う
鬼がいました
底に
見える
顔だけ
見える
鬼
永遠の雨に
体を冷たくして
恐れられる
鬼
嫌われる
鬼
葛藤と苦悩が
覆い尽くすかのような
深い樹海の底
鬼は
太陽を
探して
探して
光を
探して
ないものを
あるかのように
そしてまた
探しました
鬼が死ぬのは
独りの刻
蒼い月が
弱く優しく
誰もいないよと
誰かいないかと
死ぬ刻を
見守るように
誰も
知らない花を
見つけた刻
泣いてるように
見えるのです
気のせいですか
あなたは
必死に
生きて
泣くに泣けず
濡れた胸
最期の月の
優しさに
溢れていくのを
誰もの魂が
震えた刻に
“悲しい”と
鳴って
響いて
それは
千億年の
鬼の孤独
だったんです
だったんです
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踊り場から
太陽が出るって
いう話
聞いたことあるかい
なんのこっちゃ
熱でもあるのかい
心配されても困るけれど
踊り場から
太陽が出る
そういう話
最後まで
黙って
聞いてくれるの
君だけかな
くすって
笑ったあと
二人は
風になった
キスでもしながら
さっき
頬をかすめた
その風に
なってしまったのさ
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今は未来が見えなくても
灯す光をひとつふたつ重ねて
やがては荒野に明かりが照らされますように
あなたの故郷の息吹
完全にまだ
途絶えたわけじゃないから
………一人はみんなのために………
………みんなは一人のために………
今がひとつになるために大切な時なんだ
少しだけかもしれないけど
元気を分けるよ
勇気をあげるよ
何かのお役に立てたなら
亡くした命の分まで
強く生きていけるように
何年かかるかわからない
呆然と眺めた瓦礫の廃墟にも
やがては遠い野原から
風に乗った綿毛が舞い降りて
たんぽぽの花が咲くのかも
まるで春のような活力が蘇るのかも
あなたの生まれて育った町がそうなるように
時間をかけて
ゆっくりと
少しずつ
ゆっくりと
少しずつ
新しく生まれ変わるよ
春の息吹を感じて
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風そよいで
丘から見下ろす
景色はパノラマ
建物や植物
自然や人工物
そこに
橙がこぼれて
反射する光が
感動に染め上げる
とらわれのない心で
生きて
とらわれのない言葉で
詩が書けたなら
遠い星を巡り
大気を揺らして
やってくる風
小さな体を通り抜け
あなたにも伝う
宇宙とシンクロして
暦の中で呼吸して
長い深い旅の上
点在する星の絵
人生を織り成して
あなたに逢いたい
一心で
筆を執り墨を塗る
一心で
夕凪が頬をかすめ
緑色の葉を揺らす
たったの宇宙の一地点
抱き抱かれ
命は紅く
陽から注がれる光の
絵の具に洗われる
オレンジの粒が
琴線を弾くように
奏でてみたい
想いの丈を
まっさらなパレットに
愛しさの色を混ぜて
宇宙の風
久遠からの光
哀しく
切なく
待つ人よ
たおやかな海
なめらかな空
一心は
強く
深く
絆を求む
この丘で
流した涙は
遥かな地下へ
流れ溶け
雨となり
緑となり
あなたへの
恵みへと巡り
感情はこの宇宙
あなたの来ない
丘の上
夕凪に乗り
どこまでも
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優しい人へ
あなたは人より
感じやすくて
人より
傷つきやすい
けれどその分
人の痛みを理解して
思い遣ってあげることができる
優しい人へ
あなたはきれいな心の持ち主で
いつも汚れ物の後始末ばかりだね
あなたはいつもまっすぐだから
ささいなことにつまづくね
あなたはいつも人に優しくして
また沢山の優しさをもらうね
優しい人へ
世界中があなたみたいな人だったならと
時々思います
あなたはたまに涙を流して悲しむ
世界中の痛みが心を痛めるから
世界中の辛さが心を辛くするから
優しい人
それでもあなたはまた誰かや何かに優しくして
自分のことよりも
思い遣り気を使うんですね
優しい人へ
たまに辛そうに笑うのを
わたしは見逃していました
あなたは優しいから
あなたにはもっと
優しさが必要なんだ
あなたに優しくしてくれる人は
どれくらいいますか
優しい人
あんまり無理して
自分を壊さないで
あんまり抱え込んで
心の風船を破裂させないで
優しい人へ
優しい人へ
たまにはこっちにおいでよ
ミルクティーくらいは
出してあげられるよ
あなたの与える優しさが
世界を優しくしてくれる
たまには何も考えず
ぼーっと心を休ませて
優しい人
きっとまたあなたは必ず
人に優しくするでしょう
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たまに泣いて
たまに休んで
たまに転んで
たまに迷い道
ふと思う
人間の歩く道は
まっすぐじゃないって
右に行ったり
左に行ったり
ふらふらして
揺れながら
一進一退
そんなふうに見えても
時が流れるように
私も進んでいるんだ
心が何かを訴える
よく聞いてごらん
何て言ってるの
不安かもしれない
悲しみかもしれない
恨みかもしれない
苦しみかもしれない
心が何か感じている
それをもっとよく
感じてあげてごらん
霧が晴れるまで
もやが取れるまで
誰だって輝きたいんだ
そして心の旅を続けるんだ
でもあなたからは見えないかもしれないけれど
あなたは今でも輝いてるということ
輝きがあるということ
輝けるということ
今のままでも愛されている
それがないと
生きていけないから
あがいてるわたし
もがいてるわたし
自分が嫌いなわたし
それを全部
運命のせいにしてた
その時点で
終わっていた
負けていた
わたし何になりたいのだろう
いつも笑っていたかった
いつも幸せでいたかった
あなたは素敵
宇宙から授かった命
そこに宿る魅力
現実や社会に
いつのまにか
擦り減らして
忘れていった
あなたは素敵
今も
今のままでも
背伸びしなくていいんだよ
仮面をつけなくていいんだよ
背伸びしてる時のしかめ面
仮面をつけた時の合わせた顔
決め事や思い込みを外そう
どんな世界が見えるだろう
恐る恐る扉を開けると
何かちょっと違う景色が
広がるかもしれない
詩は未来
そう
今じゃないんだ
自分で書いたこと
いつか自分に返ってくるよ
それを全部受け取って
またその詩を
未来へ放るんだ
言霊や言の葉
そのパワーが
未来を創造するよ
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どこかで
あなたを愛する人が
あなたのことを想い
あなたのために傷つき
あなたのために労働し
あなたのために悲しみ
あなたのために喜び
あなたのために歌い
あなたのために生きている
あなたはあなたのために
何をしてやれているんだ
泣き言か
不平不満か
目の前に現れた逆境や困難に尻尾巻いて逃げるのか
いつか
あなたはあなたのために
願っただろう
強くなりたい
優しくなりたい
負けたくない
絶対的な理想像に
自分を重ねて
憧れていただろう
あなたの願いはあなただけのものではない
あの時の願いに報いはあるか
忘れてやしないだろう
あなたはあなたを落としめるな
それは
あなたのことを思う人を落としめることになるからだ
いいか
あなたよ胸を張れ
あなたを生きろ
あなたのために流した涙を無駄にするな
あなたのために見せた笑顔を無駄にするな
あなた以外の人のために
あなたのためになることを為せ
それがあなたのためになる
あなたも誰かのために
愛し
想い
労働し
悲しみ
喜び
歌い
生きるだろう
時には思い切り泣け
時には目一杯笑え
あなたのすべてであなたを生きよ
そして感情を超えて意志を貫け
泣く時はいつか終わりにしろ
笑う時が人間の本領が最大限に発揮される瞬間なのだ
生きろ生きろうんと生きろ
偽らず生きろ
傷つくな生きろ
くたばるな生きろ
泣き喚くな生きろ
誰のせいでもなく生きろ
あなたのために生きろ
あなた以外の誰かのために生きろ
生命のつながり合いの中で生きろ
あなたであるためにあなたがすべてなんだ
あなたであるためにあなた以外なんて考えられない
どうやったってあなたなんだ
なんてったってあなたなんだ
あなたであることが意味や理由そのものなんだ
あなたが生まれて死ぬことのすべてなんだ
あなたがいてわたしなんだ
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空を見るのが好きだった
その瞬間だけは
素直に
なれる気がして
ありのままで
いられる気がして
どうでもいい
なんて言わないで
どうして
空が青いの
どうして
花が咲くの
そんなこと
いくつになっても
言っていたい
あなたと
空を見ている瞬間
それはあなたと
いる時間のようだ
わたしは
あなたにとっての
空みたいな
存在でありたいの
晴れ空の日には
ぽかぽかと
日だまり
曇り空の日も
雨の空の日も
たまには
必要なのでしょう
けれど
たまにでいいよ
心はいつでも
晴れていたい
あなたと二人
ぽかぽかと
目を閉じて
深呼吸すれば
なんだか
宇宙の
広さや大きさに
すっぽりと
抱かれてるみたい
「不思議だね」
「あったかいね」
しーんとした夜に
寄り添いながら
お互いの温度で
二人は一つになる
そんなふうに
年を取りたい
最期の瞬間は
ただあなたを
空に描くよ
あなたの笑顔を
空に描いて
いつでも
見上げれば
あなたを感じる
わたしが
先だとしても
あなたも
そうしてくれる
だって
わかってる
空でまた逢える