詩人:蒼月瑛 | [投票][編集] |
いずれ君はいなくなる。
僕の前からも、この地球(ほし)からも。
僕は知っている
いつか誰かが口にしていた言葉を
「人は失ってから、そのもの大切さに気付く」と
もう言われなくたってわかってる
君の大切さに気付く日が
前代未聞の大粒の涙が僕の涙腺を壊す日がやってくることを
わかっていても、どこか、今いる君で満足している僕がいる
君をもう求めてはいけないんだよね。
でも、君の鼓動が聞きたくて、離れたくないよ。
ずっと君は隣にいてほしい
ずっとその温もりを感じていたい
更には、死んで欲しくなんかないし、老いて欲しくもない。
でも、それは君じゃないよね。
悩み凍える君だって、痛み耐え抜く君だって
それが君の全てならば
僕はただその全てを愛すだけだ。
詩人:蒼月瑛 | [投票][編集] |
血祭りのように、飛び散ったペンキを
拭き取ってみるの。
あなたは生き残れるの。
ふと耳をかすめた。囁き声。
そこには、何もないように見えた。
背中をえぐる冷酷な息。
ただこの感情を覚えていた。
暗黒の闇から広がる、朽ちた金管楽器の不旋律な重低音。
闇の中から出てくる影。
そこにいるのは誰?誰なんだい?
影は消えた。
まんまるい大きな月は闇の中で1つ輝く。
月は、闇を飲み込んでやくれないの。
それだから、光ってるの?
孤独であるのを知って欲しいの?
あんなに大きな月でさえ、この胸の奥の闇さえも照らすことはできないの。
誰か私の心を、照らしてよ。
だから、私はこの胸を開いてるのよ。何もかも。
傷つくより愛されたいよ。
何も届かない、この胸が、涙と変わる時さえも
愛しくなんて思えないよ。
ただただ憎んでしまうんだ。
人との楽しい時さえも
何でもいいと思えるよ。
後から気づいてしまうけど、それまでは夢を見てみていたい。
闇のあの影が。月から手を差し延べてくれたんだ。
私は迷わず手を握ったんだ。
影は光を飲み込んで、真っ黒に染めてしまうけど、
月夜に照らされ飛び散った。
私の体は少しずつ冷たくはなってはしまうけど。
悲しくなんてないんだよ
そんなこと言うと
最期くらい人として生きてみたいんだ
闇夜の月に照らされたのは真っ黒に染まった私だった
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嘘ばかりついて、逃げた
ちょっと躓(つまづ)いて逃げた
手を差し延べる友のぬるい優しさから逃げ、
私を追放しようとする社会の酸っぱい正義から逃げた
太陽の光だけは私を照らしてくれる。
でも、私はこの光が嫌いです。
私はどこへ行くのだろう。
いや、わかる。
この胸はしっかり理解している。
紅く反射する鏡。
この胸を反射させ、みなに知らしめたい。
そう思った私に、嫌悪すら感じた。
紫と染まった
トンネルをくぐる。
私の足音が共鳴しあい聞こえる。
まだ存在しているようです。
金木犀(キンモクセイ)の香りが鼻につく。
私は疲れきっていた。
それでも逃げて、逃げて
ふと辺りを見た。
誰もいないところまで逃げたようだ。