詩人:蒼月瑛 | [投票][編集] |
つまらない夢を見た。
私はぽつりと立っており、分厚い小窓から見える外界をただ呆然と見ていた。
外界にいたのは私だった。これまた私と同じようにただ呆然とどこか一点を凝視して立っている。
それがどこなのか、この小窓からは確認できない
この時、私はこれは夢だと気づいた。
と同時に、外界に異変が起きた。
もう一人の私が突如うずくまり、もがき苦しみだすのだ。
けれども、私はいやに冷静でそれを凝視するだけ。
もう一人の私は断末魔のような叫びを一つまた一つとあげている。
ふと私は誰かの視線を感じた。
針のように鋭い視線。
私はそれに突き刺されたように強直してしまった。
目を見開いているのがやっとであった。
額には、夢だから許されるくらいのとてつもなく冷たい汗が滲み出ている
たが、私はそれを拭えない
恐怖と不安と痛みで私の心が震えだしていた
そこで私は目を覚ましたのだ。
覚めてもなお、刺さった針は抜けはしない。