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arisaの部屋


[9] 『帰り道』
詩人:arisa [投票][編集]

夕方の駅前は人ごみで疲れて歩く、残業無くて良かったなんて喜びながら家を目指す…疲れはてた駅のホームで騒いで楽しそうな制服姿の子達を見ながら、ふいに思い出す自分の昔…
暑い夏の夜…
皆で遠くに出掛けよう!
なんてあんたが言うから、本当に行く事になった宛ての無い旅…
皆で貯めた少ない金を持って出掛けたあの旅は、何も恐いモノなんて無い若気のいたりってやつだったね…バイクの後ろは暇で暇で、見慣れない景色になっていくのが唯一楽しかった。
うちらの街の海より広い、ここの海での写真撮影は…皆白い肌で夏の始まりを思わせたね…
知らない街の知らない奴ら仲間意識の強さはどこも変わらないね、そんなコトを思いながら、進んだ海沿いのうねる道…迷子になった時もあったね…
カメラが3個目を使い終わった頃帰るコトになったこの旅、若さだけでただひたすら走った4日間の旅は帰りはみんな真っ黒だった。何にも考えず行った旅だけど、今思えばもう一度あの頃に戻りたい、あの頃に帰りたい…
だってそこにはありのままの自分が居るはずだから……電車の中は息苦しくて、手を上にして立つのが少しつらい…座り込んでる若い子を昔の自分に照らし合わせると、なぜかムカっとしないのは私だけか…
大人になりたくなかったななんて思う、今日の帰り道

2004/11/06 (Sat)

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