ホーム > 詩人の部屋 > スヌスムムリクの部屋 > 修学旅行

スヌスムムリクの部屋


[18] 修学旅行
詩人:スヌスムムリク [投票][得票][編集]


行きたかった。行きたかった。行きたかった。


「何かどーでもいいし。
行くの面倒くさいくない??」

とか言ってる子たちは、なんだかんだ言って行ける子たち。


あたしこんなに行きたいのに、行けないんだよ。

学費全額免除で学校行って、勉強頑張って、入院してるお母さんの面倒の面倒見ながら、ひとりで暮らして、こんなに頑張ってるのに、

あなた達の数倍、努力して頑張ってるはずなのに、
あなた達の数百倍、修学旅行行きたいはずなのに、

あたし、修学旅行行けないんだよ?




こんなこと言うのはずるい。最低。口にして良いことじゃない。

それはわかってる。

行けないのは仕方がない。
どうしようもない。

それもわかってる。



でもね、あたし、
やっぱり、修学旅行行きたかったんだ。

これだけは、どうしても行きたかったんだ。



「ええーっ行かないの??
絶対楽しいのに。」


知ってるよ、そんなことは。

きっと、誰よりも
一番知ってる。



だからね、あなた達にだけは言われたくなかった。

そんな無神経なこと、言ってほしくなかったの。


わかんないかもしれない。
気付かないかもしれない。

でもね、あたし、
実は、ちょっとだけ、傷ついてたんだよ。





…ううん、違う。
これは、あたしのただの、ヒガミだ。

あたしは何て醜いんだろう。

言うところがないんです、じゃすまない。

最低ね。

こんなこと考えついちゃう時点で、あたしには修学旅行に行っていい資格なんてないのかもしれない。


でもね、ちょっと、ちょっとだけ、許して下さい。

ただ、行きたかった。
それだけなの。

ただ、それだけ。

あたしのただの、独り言…。


いつかこの想いを、忘れ去ることを願って…。。。

2010/10/15 (Fri)

前頁] [スヌスムムリクの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -