詩人:スヌスムムリク | [投票][得票][編集] |
行きたかった。行きたかった。行きたかった。
「何かどーでもいいし。
行くの面倒くさいくない??」
とか言ってる子たちは、なんだかんだ言って行ける子たち。
あたしこんなに行きたいのに、行けないんだよ。
学費全額免除で学校行って、勉強頑張って、入院してるお母さんの面倒の面倒見ながら、ひとりで暮らして、こんなに頑張ってるのに、
あなた達の数倍、努力して頑張ってるはずなのに、
あなた達の数百倍、修学旅行行きたいはずなのに、
あたし、修学旅行行けないんだよ?
こんなこと言うのはずるい。最低。口にして良いことじゃない。
それはわかってる。
行けないのは仕方がない。
どうしようもない。
それもわかってる。
でもね、あたし、
やっぱり、修学旅行行きたかったんだ。
これだけは、どうしても行きたかったんだ。
「ええーっ行かないの??
絶対楽しいのに。」
知ってるよ、そんなことは。
きっと、誰よりも
一番知ってる。
だからね、あなた達にだけは言われたくなかった。
そんな無神経なこと、言ってほしくなかったの。
わかんないかもしれない。
気付かないかもしれない。
でもね、あたし、
実は、ちょっとだけ、傷ついてたんだよ。
…ううん、違う。
これは、あたしのただの、ヒガミだ。
あたしは何て醜いんだろう。
言うところがないんです、じゃすまない。
最低ね。
こんなこと考えついちゃう時点で、あたしには修学旅行に行っていい資格なんてないのかもしれない。
でもね、ちょっと、ちょっとだけ、許して下さい。
ただ、行きたかった。
それだけなの。
ただ、それだけ。
あたしのただの、独り言…。
いつかこの想いを、忘れ去ることを願って…。。。
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