詩人:スヌスムムリク | [投票][得票][編集] |
誰か、大切な人が亡くなったときに、
「世界から色が消えた」
とか、
「モノクロの世界。すべてが色褪せて見えた」
という表現をよくきくけれど、
私の場合は違っていた。
真逆だった。
すべてが、
いつも以上に、視界に入ってくる。
鮮やかに、賑やかに見えてくる。
それは、まぶしいくらいに輝いていて、
堂々としていて、
逃げ出してしまいたくなくらい、
現実だった。
それでも逃げ場はなくて、
隠れ家もなくて、
走り出した雨の中、
私は、目を閉じてしまいそうになる。
鮮やかすぎる、
美しすぎる、
残酷すぎるこの世界から、逃げ出すために。
いつだか目を開けたとき、視界がぼんやりとしていた。
変わらない世界がそこに見えたけど、
やっぱりちょっとだけ違う世界がそこにあった。
目を開いた私には、もう、
あの、キラキラした、輝いた世界は見えなかった。
もう、一生見ることはないんだろうなぁ、と思った。
不思議だね。
何なんだろう、この気持ち。
淡々とすぎる毎日の中、私はときに、ふと思う。
「生きるって、何なのなのだろう」
って。
きっと、その答えを出すことは、
誰に
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