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スヌスムムリクの部屋


[3] 「言葉」
詩人:スヌスムムリク [投票][得票][編集]

「ごめんなさい」



と言うのが、

幼い頃からのあたしの口癖だった。






どうしていいか、わからなかった。


苦しそうな母を見ているのが辛かった。

ヒステリーを見るのが辛かった。



どうにかしたくて、でもどうにもできなくて、


ただ、ただ、

私は母に笑ってほしくて、

優しく話しかけてもらいたくて、



ひたすら謝りつづけた。





それしか、すべを知らなかった。








「謝りなさい」

と言われ続けた記憶がある。


私は言われた通り、ひたすら謝りつづけた。


母には許してもらいるわけではなかったけど、

謝り続けた。


「ごめんなさい」


きっとこの言葉は、いつからか、あたしの武器になっていたんだと思う。



たぶん、私が謝るのはそこから。



「ごめんなさい」


私は、どこでこの言葉を使っていいか知らなかったけど、


「ごめんなさい」


この言葉を言うことで、私の気持ちが、


許される、

和らぐ気がしたから、


私はこの言葉を言い続けた。








あれから、十数年がたったけど、

母が

「心の病気」

だとわかったのは、つい最近のこと。




通院し始めた母に、
こないだポツリと一言、

「もう、謝らないで。」

と言われた。

ショックだっ

2010/05/25 (Tue)

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