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あとりえの部屋


[147] 溶けたので
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
アイスクリームを地下室で
買いました


あなたと食べる予定でしたが

夏休み過ぎてしまい


もう溶けてしまい


何年となるでしょう


あなたは すっかり

蝉取り上手くなり

いつしか

その姿も見なくなり

彼女は小娘の衣

あまり似合わなくなる

始めての夏

アイスクリーム溶ける

温度の速さに

詩溶かしてしまった


ごまかすのが速いのか

本音吐いた方が早いのか


街角曲がる

マタニティ姿から先の未来

それは誰しもに与えられた

未来でなく


あの娘は旅絶ったの

未来から



僕たちは 解散してしまった

僕はテーブルに座り

地下室の窓から


光り見ていた


そのテーブルと椅子にまだ若い人たち

座り出し


僕は もう二度と同じ

悲しみ体験したくないと

地下室の窓から

逃げ出した

君は蝉取りの姿

似合わなくなっても

蝉の声

レコーダーに納めながら


枯れた木の枝へ

若葉を

詩わせた


僕は 墓参りをしていない

だから


あんな姿で夏のキッチンの

冷蔵庫へアイスクリーム
押し込み

開けば溶けてたんだ

夏休み終わり



アイスクリームを創り治す

物語はいらないはずだと


彼女は受胎告知

受けたんだって


僕は

冬の扉の鍵

見つけて

ロビンハットの帽子

かぶってみた

2010/12/15 (Wed)

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