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あとりえの部屋


[148] 春色ワンピース
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
ミシンかた

かた
ことこと

未来はそのミシン糸から

連れて来る


そう願いながら

春のワンピース

出来上がり


裂けた未来を待つ


残酷なシナリオならば


海へ流せばいいと

波浮かべ

流せば

いつしか砂浜へ

割れた砂時計と共に

重なり合う

物語のような時計の音色は


もはや残酷だと云い捨てる

逃避

その現実に存在せず


貴方はそのシナリオの部外者で

在りながら


登場人物の項目に

姿顕して

僕は幾度も消した


このシナリオ中には

入り込まないで


このシナリオは

現実の脚本なのだと




春色のワンピース

タイトルがそれなら


開かずに


開いたのは彼女だった

だから

僕らも開いてみた


まだ若い人さえ

開いた


ならばその台詞を聴けばよい


雲から雪降る間


2010/12/15 (Wed)

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