詩人:良い席 | [投票][編集] |
欲がまま
欲がまま
俺を動かすは、
生命エネルギー全て
皆欲望へ、
食欲が俺に飯を食わせ
色欲が俺を女に酔わせ
禁欲が俺の活力を奪う
動く
欲望に溢れる妄執を祓うが為に克己する
簡単な欲望を許していては得られない欲望が
動く
海老で鯛を釣るように
海路の日和を待つように
大きな欲望に駆られて
小さな欲望を退ける、欲張りなストイック
詩人:良い席 | [投票][編集] |
弾けて笑って爆発したり
悲しくて涙して嫌になったり
苦労して我慢して失敗したり
夢見て努力して大成功したり
暗がりで転んで前が見えなくなったり
何をやっても駄目な気がしてならなかったり
やってみれば何と無く簡単だったり
勇気が無くて閉じこもったり
パトスにまかせて色々やったり
黒い歪に落ち込んだり
明るい明日に希望を持ったり
嬉しくてニヤニヤ笑ったり
苦しいのにニヤニヤ笑ったり
死にたくてもニコニコ笑ったり
てきとうに生きてるのに愛されたり
後になって後悔しまくったり
苛々してムカついたり
我慢が弾けて爆発してキラキラ火花が飛び散って
かくも浅墓かと嘆いてみたり
そしてしてやったり
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しがらみまみれのスパイラルを打ち砕く
鉄鎖を掻っ切って自由奔放なれ
今日も力強い言霊の波が押し寄せては、泡沫となりて遠い過去
夢を見て虚勢を張って、惚けてみたら、何も無かった。
遠い遠い世界の事を馳せながら大いなる卑小にも芳しく魅力ありしかな
と、何も無い事を何でも無いように考えて日が沈むのを見もせずに、夜になったらおやすみってこって。
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味気ある虚栄の木に身も蓋もない勇気が生りました。
その木が朽ちる時、その木はまだ生きたいと思いました。
実に様々な花を、ピンキリの実を、焦がれた葉を、纏っていました。
最後の最後まで、木は自分が何か知りませんでした。動けないので、只考えに耽ったものの、的外れな物ばかり。
学者は、只の木と言いました。
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世界を滅ぼそうと企む悪魔達の所業はますます残酷なものだ。
驕る者あれば落魄を
不幸を願う者あれば不幸を
無作為に人間を選び絶望のどん底へ突き落とす。
万引きするは悪魔がため
人を殺すは悪魔がため
この世を厭うは悪魔がため
奇を衒うは悪魔がため
生命に抗うも悪魔がため
靴を隠すのも陰口叩くもコーク瓶に醤油を入れて飲ませるも悪魔がため必殺悪魔固め
悪魔に気に入られた人間は悪魔に気を引かせるため悪魔に加担し今日も人間と戦っている。
悪魔は見ている。僕が作った悪魔。こんなのデビルなんかじゃなあない。
悪魔のせいだ。悪魔は罪を被ってくれる。いやあなやつらだ。どんな謀略なのだね悪魔君。僕は見ているから楽しませてくれよ。
悪魔を生み出す母体はいずくんや、わ、たし。
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混沌たる浮世にて一炊の夢を見ればいつの日かの悦びを思い出す。
それは遥か遠くの桃源郷で自分が暮らしていた時の記憶の様だ。今ではもうそんな過去の感傷に浸って僭越にも優越を感じるだけしか出来ない。
つまらないは何か。儚くも楽しかったと思わざるを得ない遠い過去の記憶は、本当に昨日の事の様だ。
現実に私が道を進み、私が終わる迄生き続けなければならないのか。私は行き続けている、もしも本当に時間が流れているとしたら。
しかし私の歩んだ道には何も残らないだろう。私の涙した過ぎ去った道々はもうどこにも見当たらないかもしれない。
只空しくも人として生を授かり、人として死を迎えるのだ。その間に何があったのだろう。私は本当に存在していたのだろうか。
私の生死の前後には何があったのだろうか。道中の看板は悪戯によって向きを変えられていた。しかし私は奇を衒って従わずに違う道を辿った。私は道草をし、野原に寝そべり煙草を吸った。煙草の吸い方もしらずに吸ったのでゴホゴホと噎せている。私の口からぷうっと出る煙は見上げる空の雲には遠く及ばない。私の吐息は野原の花を枯らした。恐れてその場を去り、また道に戻った。ブツブツと独り言を言いながらわざとふらふらしながら道を進んだのだ。通りすがりの人々はまるでどこかで見た事があるような人々ばかりだった。私は道を歩き続ける。けんけんぱと時には遊んで、立ち止まって振り向いて手を振ってバイバイしたなら私は走り出す。悲しみのススキの原を風のように突き抜け、虫や蝉の声が聞こえなくなった頃、私は行き倒れるのだろう。そこに一厘の花でも咲いてくれたら、ロマンチックなものだ。
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何か底知れぬものが・・・。
何か得たいの知れないものが・・・。
何が宇宙を齎すのだろう、何かが宇宙を齎している。
とてもつもなく莫大な、人の脳では計り知れない莫大さの宇宙空間に、無数の星々が煌いている。
信じられないくらいの数の銀河が、星が、漠然と存在している。これは恐ろしい事だ。実に理解し難いありさまだ・・・。
何故なら私は無数という有限にあらざるような銀河の1つという、極々極めてちっぽけな銀河の中の、地球という惑星に生まれ、そこでそこの枠にとらわれたまま死なねばならんからだ・・・。
時間と言う概念さえ宇宙においては無駄の様だ・・・。俺が数十年、色々なことをやって、いわゆる立派に生きようと、いわゆる下賎に生きようと、往生してみて鑑みてみても宇宙は何ら変わらない。
地球がぐるぐる回り、月もぐるぐる回り、俺も目まぐるしくぐるぐる回っている。
いつか地球は爆発するなんて当然なら、いつか人類は滅亡するなんて当然なら、それまで足掻くのが人間の勤めなのだろうか・・・。地球というちっぽけな概念の下、理屈が何だとほざいて、現実っていうのは何だろうか・・・。
世間の体裁でしょうか。虚無を忘れるために必死にならねばいけませんか・・・。
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しがらみが俺を守っている
俺は雁字搦めにされる事で保たれている
俺の自由を求める心は解き放たれる事の爽快さを空想しては身震いする
そんな事してしまったら俺は崩壊してしまう気がする
不安定な積み上げられた変な物が崩れ落ちるのだ
爽快な程に
どんな盾でも貫く矛は、どんな矛にも貫かれない盾をも貫いてしまう。どんな矛にも貫かれない盾はどんな盾でも貫いてしまう矛にさえ貫かれることはない。
矛盾をも超越してしまう現実にもはや神秘すら感じる
おおよその概念を脱却して虚構に陥った囚われ者のいつかの憂鬱
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私の一途な思いも此処までさ
頼りない不甲斐無い甲斐性なしの盆暗さ
今俺は何になりきっているのだろう
彼らの夢を見てみたい
それらの夢に参加したい
こんな夢でも見てみたい、見れるもんなら見てみたい
儚く潰える生命がくしゃくしゃの紙切れを破壊する
歯痒さに身を打ち震わせるあの機械が訳も無く破壊される
取りとめも無く皆が破壊される
それは私は望んだか?
人はそれを望んだか?
失いたくない希望もビンの中につめて海に流してみる。そんな出鱈目なことは今に消えそうな獄中の蝋燭のようだ。今に火はゆらゆらと揺れている。もう消える。さあ、消えるぞ。
こうなったらやるっきゃない。そうだと牛ももうもうと鳴いてるではないか。さあやるしかない。今しかない。消えてしまっては、もうどうにも。
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ザアザアザアザアザアザアと雨が降っている
薄暗い世界の電灯にザアザアザアザアと雨が飛沫を上げている
あんなに良い物は無い
どれ程素晴らしい雨だろうか
夜を劈くけたたましい豪雨に胸が躍る
シトシトと冷たく濡れる
べちょべちょの洋服が肌と密着する、ああ雨が上から降ってくる
とめどなく振って来る、どうしたらいいんだ。もう堪らない、こんなに振ってきちゃあ俺もお手上げだ。
傘なんか向こうの方にぶん投げてしまおうとそう思う。
えいやあっと勢いよく投げた傘は予想外にすてんと目の前に転がった。でも雨の降る降るシャアシャアと降る雨に打たれ星も無い真っ黒けな空を仰いで透明の雨が雨が、俺の世界の中に連綿に瀰漫する。
ああ俺の今見た雨はもう地面と激突して死んでしまったぞ。さあ今度もまた雨が来た。ああまた一瞬で地面を濡らしてしまった。
やけに美しい雨だ。日が明けてしまえば、この面妖な雨も失われてしまう気がしてならない。口を開けば避けることなく入ってくる。サンダルがもうびしょ濡れだ。ああ何もかももうびしょ濡れだ。あの家さえももうびしょ濡れだ。なんたるありさまだろうか。また今度、会おう雨よ。