僕んちではとうむるこしを三個育てた。一個は大きくなったが、二つのとうむるこしは死んだ。爺ちゃんはとうむるこしは食われたと言った。食われたとうむるこしは何処に行ったのかと訊くと、あの世に行ったんだと言う。俺は爺の腹の中に入った事を知っているのに。
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